ライター : 満畑ペチカ

調理師ライター

キーマカレーとドライカレーの違いって?

水分が少ないカレーといえば、「キーマカレー」と「ドライカレー」が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?キーマカレーはカレー専門店やエスニック料理店、ドライカレーは喫茶店の定番メニューです。

しかし、ふたつのカレーの何がどう違うのか、きちんと説明できる方はそう多くないはず。この記事では、キーマカレーとドライカレーの違いを詳しく解説します。だれかに違いを聞かれたとき、自信を持って説明できるようになりますよ。

ドライカレーとは

Photo by macaroni

ドライカレーとは、のちほどご紹介するインド料理のキーマカレーを、日本で独自にアレンジした料理。1910年代、日本郵船株式会社が所有する「三島丸」の調理人が作った、汁気のないひき肉入りのカレーが元祖「ドライカレー」だといわれています。

その後、時間が経つにつれてカレー味のチャーハンも「ドライカレー」と呼ばれるように。またカレー味のピラフも、まとめてドライカレーと呼ばれているのが現状です。つまり食材の種類は関係なく、水分の少ないカレー味の米料理が「ドライカレー」であるといえるでしょう。

キーマカレーとは

ドライカレーの元になった「キーマカレー」は、主に北インドで作られているカレーです。キーマカレーの「キーマ」とは、ヒンディー語やウルドゥー語で「細かいもの」という意味。名前のとおり、ひき肉や細かく刻んだ野菜などが具材として使われます。

調理法や具材の種類は、地域や信仰によってさまざま。鶏や羊、ヤギのひき肉を使ったキーマカレーや、肉を使わないベジキーマカレー、なかには牛・豚の肉を使ったキーマカレーが作られることもあるそうです。

またキーマカレーは北インドのカレーなので、基本的にナンやチャパティと一緒に食べられています。

どっちもひき肉カレー、具材に違いは?

キーマカレーは、トマト、なす、じゃがいも、ひよこ豆など、さまざまな具材とスパイスを組み合わせて作るのが特徴の料理。一方ドライカレーは、ひき肉と玉ねぎやにんじんなどのみじん切りを使う汁気の少ないカレーか、ごはんがメインのカレーチャーハンです。

どちらも具材の種類は決まっていませんが、具材の量はキーマカレーのほうが多いといえるでしょう。子どもにたっぷり野菜を食べてもらいたい、作り置きしたいという場合は、キーマカレー(もしくはキーマカレー寄りのドライカレー)がおすすめです。

ちなみにカレーライスはいつから?

日本人がカレーらしき料理に出会ったのは、ペリー来航から10年経った1863年のこと。当時フランスに派遣された遣欧使節団のひとり三宅秀が、船で乗り合わせたインド人の食べるカレーを目にしたのが最初だといわれています。

その後、1872年ごろに発行された料理書『西洋料理指南』、『西洋料理通』にて、日本ではじめてカレーの作り方が紹介されました。当時のカレーは具材にねぎや赤ガエルを使い、水溶き片栗粉でとろみを付けるものだったそうです。

よく食べられているじゃがいも、玉ねぎ、にんじんが具材のカレーが定着したのは、明治時代の終わりから大正時代にかけて。インドカレーにも欧風カレーにもない、日本独自のカレーが広まっていきました。

基本的なドライカレーの作り方

Photo by macaroni

調理時間:20分

たっぷりの野菜と豚ひき肉を使う、具だくさんのドライカレーです。煮込む必要がないので、短時間で手軽に作れます。加える調味料を変えれば、和風な味わいにもできますよ。休日のランチやお弁当にいかがですか?
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