ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

実はアルコール度数が高い?「梅酒」

Photo by 稲吉永恵

ほんのり甘くリラックスタイムにぴったりの梅酒は、フルーティーな香りとスイーツのような口当たりで手軽に楽しめるお酒です。「飲み会で梅酒を選ぶ」「家でリラックスしたいときに自然と手が伸びる」という方も多いのではないでしょうか。

しかし、梅酒のアルコール度数は意外と高めなんです。

「甘いから大丈夫」と油断していると、気づかないうちに酔いが回ってしまうことも。特に、ストレートやロックでじっくり味わう際は、アルコール度数を意識することが大切です。普段からお酒を飲み慣れている方でも、梅酒の風味に惑わされて飲み過ぎてしまうケースもあるようです。

梅酒は種類や製法が多く、おしゃれなボトルもたくさんありますが、正しいアルコール度数を認識しておくことが重要です。

この記事では、梅酒の一般的なアルコール度数や、賢く楽しむためのヒント、おすすめの飲み方などを詳しくご紹介します。

【飲み方別】梅酒のアルコール度数と黄金比率

市販の梅酒の多くはワインや日本酒に匹敵するアルコール度数があり、5〜15度と幅広いのが特徴。この度数の幅は、製造方法の違い(ホワイトリカーベース、焼酎ベースなど)や梅の種類、熟成期間などによって、最終的なアルコール度数が変わるためです。

ワインのアルコール度数は12度程度、日本酒が15度程度とされているので、比較的強いお酒といえるでしょう。甘さに気を取られがちですが、実はアルコール度数がしっかりあるため、思いのほか酔いが回ることも少なくありません。

では、梅酒を水や炭酸水などで割って飲むとアルコール度数はどう変わるのでしょうか?代表的な飲み方を、おいしくいただける黄金比率と一緒にご紹介します。(※1,2)
主なお酒の種類アルコール度数(比較の目安)
梅酒5~15度
ワイン(120ml)12度
日本酒(180ml)15度
ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml)43度(一般的な度数)
焼酎(180ml)35度(一般的な度数)
(※1,2)
※上記はあくまでも目安です。アルコール度数は製法・メーカー等によって異なります。

梅酒ロック

梅酒ロックのポイント

  1. アルコール度数:5~15度程度
  2. おすすめの人:お酒に強い人
  3. おすすめシーン:読書タイム、食事の〆など
  4. 作り方のコツ:大きい丸氷に梅酒をゆっくり注ぐ
梅酒ロックは、グラスに入れた梅酒に氷を浮かべる飲み方。割り材を使わないため、アルコール度数はストレートと変わらず5~15度程度です。

梅酒本来の凝縮された風味をダイレクトに堪能できるのが魅力。氷がゆっくりと溶けることで、時間とともに変化する風味も楽しめますよ。アルコール度数が高いため、何杯もゴクゴク飲むというよりも、少量ずつゆっくりと味わうのがおすすめです。

風味を存分に楽しめる反面、きついと感じてしまう方もいるため、お酒に強い方向けの飲み方といえるでしょう。

おいしく作るコツは、キンキンに冷やした梅酒を大きめの氷を入れたグラスにゆっくりと注ぎ入れること。氷が溶けると味が薄くなってしまうので、大ぶりの氷を使うのがポイントです。フレッシュミントの葉を添えれば、見た目も香りも涼やかにいただけますよ。(※1)

ソーダ割り

梅酒ソーダ割りのポイント

  1. アルコール度数:7~4.6度(14度の梅酒を1:1または1:2で割った場合)
  2. おすすめの黄金比率:1:1
  3. おすすめの人:お酒に弱い人
  4. おすすめシーン:仕事終わりにすっきりしたいとき、お風呂あがりなど
  5. 作り方のコツ:梅酒とソーダをよく冷やし混ぜすぎ注意、炭酸を逃がさない
梅酒の代表的な飲み方と言えば、やはりソーダ割りですよね。梅酒の甘さとソーダの爽快感のバランスがよく、幅広い層に人気の飲み方です。炭酸の爽快感が加わることで、梅酒の甘さがすっきりと引き締まり、暑い日や気分をリフレッシュしたいときに最適です。

おすすめの黄金比率は梅酒:ソーダが1:1。お酒に弱い方はソーダが多めの1:2に、お酒にかなり弱い方は、1:3程度から試すのもおすすめです。

なお、ソーダ割りのアルコール度数は、梅酒と炭酸水の比率によって変わります。たとえば、アルコール度数14度の梅酒を1:1で割ると7度、1:2で割ると4.6度になります。

梅酒の炭酸割をおいしく作るためには、梅酒とソーダをよく冷やすことと混ぜすぎないこと。炭酸が抜けにくいように、高い位置から勢いよく注がないのがポイント。最後に軽くステアする程度にとどめましょう。

水割り

梅酒水割りのポイント

  1. アルコール度数:7~4.6度(14度の梅酒を1:1または1:2で割った場合)
  2. おすすめの黄金比率:1:1
  3. おすすめの人:お酒に弱い人、甘さをおさえたい人、炭酸が苦手な人
  4. おすすめシーン:食事中、リラックスタイムなど
  5. 作り方のコツ:氷で薄まるためやや濃いめに
食事の味を邪魔せず、梅酒のやさしい香りとほのかな甘みが料理を引き立てると人気の水割り。素材の味を大切にする和食との相性が抜群です。

また、炭酸が苦手な方や甘さをおさえたい方にもおすすめ。梅酒があれば手軽に作れるのも魅力です。

おすすめの黄金比率は、ソーダ割りと同じく1:1。度数も同等です。アルコール度数が高い梅酒の場合は、水の割合を増やすとお酒に強くない方も飲みやすいですよ。先に梅酒をグラスに注ぎ、あとからゆっくりと水を加えると、味が均一に混ざりやすくなります。

なお、氷を入れると薄くなってしまうので少し濃いめに作ると良いでしょう。

お湯割り

梅酒お湯割りのポイント

  1. アルコール度数:7~4.6度(14度の梅酒を1:1または1:2で割った場合)
  2. おすすめの黄金比率:1:1
  3. おすすめの人:体を温めたい人、お酒に弱い人
  4. おすすめシーン:布団に入る前、リラックスタイムなど
  5. 作り方のコツ:お湯を70℃程度にする
寒い季節の夜、ふんわりと立ち上る香りに包まれてじんわり温まるお湯割りは、心まで満たしてくれる飲み方です。

温めることで梅の香りがより一層引き立ち、リラックス効果が高まります。寒い夜は、お湯割りの梅酒を一杯飲んでから寝るという方も多いようです。

おすすめの黄金比率やアルコール度数は、ソーダ割りや水割りと同じと考えましょう。自分好みの濃さを見つければ、より一層梅酒の奥深さを味わえますよ。

梅酒のおいしさを引き出す作り方は、お湯の温度にあります。熱湯ではなく、少し冷ました70℃程度のお湯を使うことで、梅酒の香りがより豊かに広がります。水と梅酒を耐熱グラスに入れ、レンジで温めてもOKです。
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