ライター : 堀田 らいむ

webライター

ジュースはジュースじゃない?

みなさんは、ジュースの正しい意味をご存知ですか?実は本来、果汁が入っていても、水で薄めている飲み物はジュース(juice)とは言ってはいけないのだそうです。 レモン果汁を薄めて甘味料を加えたものは、「レモネード」と訳すのが正しく、オレンジジュースを薄めたものは「オレンジ・ソフトドリンク」に言い換えたほうがいいとのこと。すでに法律では、100%果汁でなければジュースとは表記できないとされています。しかし、あいまいなままジュースという言葉は使われ続けているようです。

ジュースは英語では「汁」

ジュースは英語で、果物や野菜の「汁」を意味します。果汁100%だけがジュースと呼べるのです。100%でないものは、ソフトドリンクに該当します。当然、果汁などが含まれないコーヒーやコーラもジュースではないのです。アメリカで大流行した、野菜や果物をコールドプレス製法で作ったコールドプレスジュースは、日本でも飲めるようになり、おいしいと人気がありますね。 Juiceはラテン語の jūs が語源で、古代フランス語 jus を経由して、英語の juice になったとのこと。フランスでも、現代語として jus とありのままで使われ、やはり100%果汁のみを意味する言葉となっています。

なぜ日本では「ジュース」と呼ぶの?

日本では、昭和40年前後に相次いで法律が改正され、果汁100%以外は、ジュースという名称で販売できないことになりました。しかし、それ以前は100%以外の果汁飲料だけでなく、無果汁の単なる甘味飲料もジュースとして販売されていたそうです。 なので、ジュースは果物の汁という英語の訳ではなく、炭酸飲料も含む甘味飲料を総称する言葉になっていたと考えられます。戦後、日本に輸入されたバヤリース・オレンジが爆発的な人気となり、ジュースブームに。他社もこれに続き、同様の製品を相次いで発売しました。 合成香料、人工着色料や乳化剤を添加した無果汁の甘味飲料もジュースと称して販売され、さらには粉末ジュースも販売されていました。しかし、ジュースブームを引き起こしたとされる低果汁飲料バヤリース・オレンジや、その後の無果汁飲料ファンタ・オレンジ(グレープ)は、当時からジュースとは表記していなかったそうです。

ジュースを飲みたいときは「drink」

海外で日本でいうジュースが飲みたくなったら、「ドリンク(drink)」といいましょう。海外には大変な数のソフトドリンクがあります。日本では、お茶やウーロン茶など甘くない飲料がありますが、味覚の違いなのかやや甘く感じられるだけでなく、大抵の飲料に炭酸が入っているんです。 コカ・コーラ、ドクターペッパー、マウンテンデュー、スプライトなど日本では、薬っぽいにおいがダメという人が多く、あまり人気のないドクターペッパーですが、アメリカではコカ・コーラと同じぐらい有名な炭酸飲料なんだとか。 ほかには、ゲータレードなどが有名となっているスポーツドリンク、またエナジードリンクも数多く販売されていて、アメリカはドリンク大国でもあります。

さまざまな飲み物の英語名

サイダー「soda pop」

日本では、三ツ矢サイダーのような炭酸飲料をサイダーと呼びますが、英語では通じないんです。サイダーはまったく違うもので、リンゴの果汁を発酵させた果実酒(シードル)のことを指します。また、フランスのシードルを英語ではサイダーと呼んでいます。 日本で販売されているようなサイダーは、英語では「soda pop」です。炭酸ガスを含む水のことをsodaというのだそうです。popは炭酸飲料のふたを栓抜きで開けるときに聞こえる、ポンという擬音に由来しているみたいですよ。
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