違いがでるのはなぜ?

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普通の粉砂糖入りのクッキー(左)/泣かない粉砂糖入りのクッキー(右)
普通の粉砂糖と泣かない粉砂糖で作ったクッキーは、甘さ、風味、食感に差がでました。泣かない粉砂糖にはコーンスターチや乳化剤が入っているため砂糖の含有量が減り、結果として甘さがやや控えめになったようです。

普通の粉砂糖で作ったクッキーのほうがバターの風味を強く感じたのは、薄力粉とバターの相性が良く、余計な材料(コーンスターチや乳化剤)が入っていないことで、よりバターの風味が引き立ったと考えられます。

コーンスターチは小麦粉のように粘りのあるグルテンを形成せず、軽い食感に焼き上がるのが特徴です。泣かない粉砂糖で作ったクッキーの口溶けがいいのは、コーンスターチの効果によるものでしょう。

また、泣かない粉砂糖に含まれる乳化剤には、気泡を安定させる効果があるようです。断面に気泡が多く見られたのは乳化剤の効果かもしれません。

底が浮いていたのは焼成の際、生地と天板の間に余分な蒸気や油分が溜まったのが原因です。今回は同じ条件で作ったため、生地の状態はほぼ同じだと仮定すると、油脂である乳化剤が底面の膨らみに関係している可能性があります。

検証結果まとめ

比較項目普通の粉砂糖泣かない粉砂糖
おすすめのシチュエーションプレゼント甘さ控えめ口溶けが好きな人用
生地の扱いやすさ☆☆☆☆☆
型抜きのしやすさ☆☆☆☆
食感しっとりさくさくざっくりホロホロ
甘み☆☆☆☆☆
できたてのおいしさ☆☆
6時間後のおいしさ☆☆☆☆☆
翌日のおいしさ☆☆☆☆☆

お好みの粉砂糖でクッキーを作ってみましょう

一般的に泣かない粉砂糖はクッキー作りに適していないとされていますが、実際に作ってみると、普通の粉砂糖で作るクッキーとは異なる魅力があることが分かりました。

バターや薄力粉の風味をシンプルに味わいたい場合は普通の粉砂糖を、ざっくりホロホロの口溶けと控えめな甘さがお好みなら泣かない粉砂糖を、と使い分けてみてはいかがでしょう。クッキー作りに使用する粉砂糖の量が多いほど、違いが分かりやすくなりますよ。

※本記事は個人の感想に基づいたもので、感じ方には個人差があります。

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