ごまの摂取量の目安は一日どのくらい?

脂質の一日の摂取量の目安

成人の場合、脂質の一日あたりの目標量は男女ともに摂取エネルギーの20~30%とされています。そのうち、動物性の食品に多く含まれる飽和脂肪酸の目標量は男女ともに7%以下です。

一方、植物性の食品や魚に多く含まれる脂質を不飽和脂肪酸と言います。なかでも食物から摂取する必要があるn-3系とn-6系の不飽和脂肪酸は、食物から摂取が必要な必須脂肪酸に分類される栄養素です。

成人の一日当たりの目安量はn-3系は男性が10g前後、女性が8g程度で、n-6系は男性が2.0~2.2g、女性が1.6~2.0gとされています。脂質の摂取量を考えるときは、総量のみでなく、その種類も確認するようにしましょう。(※8,9)

食物繊維の一日の摂取量の目安

食物繊維の一日あたりの摂取量は目標量として定められています。成人の場合、男性は18~64歳で21g以上、65歳以上で20g以上、女性は18~64歳で18g以上、65歳以上で17g以上です。

体のサインから見た食物繊維の必要量は一日に一回規則的に排便があるかどうかが目安となります。卵3個分程度の便量が作れる食物繊維を摂ることが大切です。

日本人の食物繊維の摂取量は減少傾向と言われています。一日あたりプラス3~4g多く摂取することを目標に、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく、積極的に摂取するようにしましょう。(※8,10)

ごまの一日の目安量

ごま大さじ1杯(9g)に含まれる脂質はそのほとんどが不飽和脂肪酸です。そのうち豊富に含まれるn-6系脂肪酸は成人男性であればごまを大さじ2.5~3杯、成人女性であれば大さじ2杯を摂取することで、一日の目安量を補うことができます

なお、大さじ1杯のごまに含まれる脂質は5.4g、食物繊維は1.1gです。ほかの食事とのバランスを考えて、過剰摂取になる栄養素がないように調節しながら摂り入れるとよいでしょう。(※3,4,8,11)

食べ過ぎなければ体にいい!ごまの栄養と効果効能

ごまの栄養素とその効果

  1. 抗酸化作用をもつ「セサミン」
  2. さまざまな生体反応に関わる「銅」
  3. 歯や骨を健康に保つ「カルシウム」
  4. 代謝を助ける「マグネシウム」
  5. 貧血対策に欠かせない「鉄」
ごまには脂質や食物繊維以外にも栄養素が豊富に含まれます。セサミンは抗酸化物質のひとつで、肝機能を良くするはたらきをもつのが特徴です。総コレステロールや悪玉コレステロールを減らし、血圧を正常に保つ作用があると言われています。

また、銅、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル類も豊富で、なかでもカルシウムは同じ100gあたりで比較すると、牛乳は110mgなのに対し、ごまは1,200mgと多いのが特徴です。少量でも効率的に栄養素を摂取できるため、積極的に摂り入れたい食品と言えるでしょう。(※4,12,13)

食べ過ぎには注意してごまを日常に摂り入れましょう

ごまは食べ過ぎると便秘や肥満、ニキビの原因となると言われる理由について解説しました。単純に可食部100gあたりの栄養素にだけ注目してしまうと、食べ過ぎのリスクが心配になってしまうかもしれません。

しかし、ほかの食事とのバランスを考えて、極端な量を食べなければ、それらのリスクを心配するほど脂質や食物繊維を摂り過ぎることはありません。ごまは適量を摂り入れて、豊富な栄養素の摂取源として活用しましょう。
【参考文献】
(2023/11/27参照)
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