ライター : shoko

管理栄養士 / パティシエ

糖質制限中に春雨は向いているのか?

春雨は大きく分けてじゃがいもやさつまいものでんぷんから作られる普通春雨と、緑豆の種子を粉にしたものか、緑豆のでんぷんを分離したものから作られる緑豆春雨の2種に分かれます。

普通春雨は含まれる食物繊維の量が少ないことから、糖質がそのほとんどを占める食品です。緑豆春雨は普通春雨よりは食物繊維量が多いですが、同じくほとんどが糖質のため、どちらの春雨も食べ過ぎには注意しましょう。(※1,2,3)

春雨の種類や状態による糖質量やGI値の違い

糖質量の違い

春雨の種類糖質量(g)食物繊維量(g)水分量(g)
普通春雨(乾燥)85.41.212.9
普通春雨(ゆで)19.10.880.0
緑豆春雨(乾燥)83.44.111.8
緑豆春雨(ゆで)19.11.579.3
それぞれ可食部100gあたり(※2,3,4,5)
春雨はゆでることによって水分を吸うことから、ゆでたあとはそのほとんどが水分で占められます。

しかし、スープの具材のように少量ではなく、麺料理の麺を春雨で置き換えてしっかり量を食べると、糖質制限中にしては糖質量が多くなる場合があるため注意が必要です。

GI値の違い

GI値とはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)のことで、食後に血糖値がどのくらい上昇するかを示す指数です。

同じ量の炭水化物の量を含む食品でも、血糖値の上がり方には差が出ます。GI値が70以上の高GI食品ほど血糖値を上げやすく、GI値が55以下の低GI食品ほど血糖値を上げにくいのが特徴です。

2種の春雨では米やトウモロコシのでんぷんから作られる春雨はGI値が68と、GI値が62のうどんよりも高いのがわかります。一方で緑豆春雨はGI値が20と低いため、血糖値が上がりにくい食品です。(※6,7,8,9)

春雨がヘルシーと言われる理由

春雨がヘルシーと言われる理由

  1. 血糖値に関わるGI値が低いこと
  2. 吸収されにくいレジスタントスターチのため
  3. ダイエット中には嬉しい低カロリー

血糖値に関わるGI値が低いこと

GI値が高い食品を選ぶと、食後に血糖値が急上昇してしまうおそれがあります。食後に高血糖によって血糖値が急上昇すると、急激に上がった血糖値を処理するために、体はエネルギーをため込んで太りやすくなることから注意が必要です。

その点GI値の低い緑豆春雨は血糖値の急上昇が起こりづらいため、食後の血糖値の乱高下を抑えることができます。(※9,10)

吸収されにくいレジスタントスターチのため

春雨にはレジスタントスターチと呼ばれるでんぷんが含まれます。レジスタントが「消化されない」、スターチが「でんぷん」という意味であり、消化されずに大腸まで届くのが特徴です。

春雨は一度加熱されて糊化したあとに、保存する過程で一部のでんぷんが消化されにくい構造に変化したとされています。糖質の量は多く見えても血糖値は上がりにくいことから、糖質制限中にも量に気をつければ極端に制限する必要はないでしょう。(※11)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ