ライター : shoko

管理栄養士 / パティシエ

チーズで塩分の摂り過ぎになるってほんと?

チーズは大きく分けるとナチュラルチーズとプロセスチーズに分かれます。ナチュラルチーズは乳を乳酸菌・酵素によって固めたもので、さらに熟成させるものが多いです。

製造の過程で味つけの意味以外に有害菌の繁殖を抑えるために塩を加えており、チーズの種類によって塩分濃度は変わります。塩分量が多いチーズの食べ過ぎには注意が必要です。

プロセスチーズはナチュラルチーズ1~数種を乳化剤とともに加熱してから成形したもので、ナチュラルチーズよりも保存性が高いのが特徴です。プロセスチーズの塩分は製造時に添加されるのではなく、ナチュラルチーズに由来すると言われます。(※1,2)

チーズに含まれる塩分ランキング

チーズの種類1食当たりの重さ(g)食塩相当量(g)エネルギー(kcal)脂質(g)カルシウム(mg)
ブルーチーズ150.6494.489
スライスチーズ(1枚)160.4504.2101
カマンベールチーズ(1切れ)150.3443.769
チェダーチーズ150.3595.1111
パルメザンチーズ(大さじ1)60.2271.878
モッツァレラチーズ(1/4個)250.1675.083
クリームチーズ(1個)16.30.1515.411
カッテージチーズ(大さじ1)130.1130.67.2
※チーズの重量は小さいサイズのものはメーカーホームページ参照、大きいサイズのものはカマンベールチーズのひと切れの重量に合わせて計算。(※3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16)
100gあたりではブルーチーズとパルメザンチーズは塩分量が同じで、いずれもほかのチーズより多いですが、1食あたりで考えると、パルメザンチーズは一度に食べる量はそこまで多くならないことから、ちょうど中間程度になっています。

塩分制限がある方以外であれば、いずれも表にのっている重量程度を食べる分には問題ないと言えるでしょう。

チーズと塩分との関係

塩分は浸透圧を調整する

塩分は人が必要なミネラルの一種であるナトリウムの摂取源です。ナトリウムは細胞の外の体液中に存在し、浸透圧を調節する役割を持ちます。健康な人では不足することはなく、むしろ日本人は世界的に見て摂取量が多いです。

摂り過ぎると、むくみや口の渇きなどの症状などがみられるようになります。日本人の食事摂取基準で設定されている、1日あたりの食塩相当量の目標量は、成人男性が7.5g未満、成人女性が6.5g未満です。(※17,18)

摂り過ぎに注意が必要

前述のチーズに含まれる塩分の量をみると、1食あたりではそこまで多くないため、塩分制限がある方以外は神経質になる必要はありません。

しかし、塩分量の多いブルーチーズを100g近く食べると、それだけで一日の目標量の半分以上の塩分を摂取することになるため、注意しましょう。

特にお酒と一緒に食べる場合はほかにも塩分を多く含む料理があることも考えて、一度に食べ過ぎないように気をつけましょう。(※3,18)

チーズは血圧の上昇を抑える

塩分が多く含まれる一方で、チーズは活性酸素を穏やかに抑える抗酸化作用と血液中のHDL-コレステロールをゆるやかに増やす作用がある食品です。

チーズの抗酸化作用によってLDL-コレステロールの酸化を減らすことが期待でき、血圧の上昇と血管がかたくなるリスクを下げてくれます。

また、チーズを熟成させることでできる、おいしさのもとのペプチドのなかには血圧の上昇を抑える作用を持つものもあるのが特徴です。(※19)

チーズに含まれる塩分以外の成分とそのはたらき

チーズに含まれる成分

  1. 骨の健康を維持する「カルシウム」
  2. ダイエットのサポートに役立つ「たんぱく質」
  3. お腹の調子を整える「乳酸菌」
チーズにはカルシウムが多く含まれ、吸収率が高いことでも知られています。良質なたんぱく質も豊富で、熟成によって消化吸収されやすいのも特徴です。低糖質で含まれている脂質も燃焼しやすい性質をもつことから、ダイエット中のたんぱく質摂取にも向いています。

また、発酵の際に使われる乳酸菌によって腸内環境を整える作用も期待できるため、積極的に摂り入れたい食品です。(※20,21,22)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ