ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

一日の塩分摂取目標量

女性

成人女性(18歳以上)における塩分の摂取目標量は、一日あたり6.5g未満。妊婦・授乳婦の場合も目標量は同じです。

6.5gの塩分量とは、塩に換算すると約小さじ1杯強に相当します。精製塩のようなサラサラした塩の場合は小さじ1杯が6g、しっとりした塩は小さじ1杯が5gと、塩の比重によって差があります。(※1,2)

男性

成人男性(18歳以上)の場合、塩分の摂取目標量は一日あたり7.5g未満。成人女性より1g多いのは、平均体重をもとに摂取目標量が決められているからです。

7.5gの塩分とは、精製塩小さじ1杯(6g)と1/4杯(1.5g)に相当します。しっとりした塩の場合は、小さじ1杯(5g)と1/2杯(2.5g)程度です。(※1,2)

日本人の平均的な塩分摂取量

平成30年度におこなわれた国民健康栄養調査によると、日本人の塩分摂取量の平均値は10.1gです。以前に比べて減少傾向ではあるものの、目標量と比較すると塩分の摂り過ぎといえます。

成人女性(20歳以上)の平均値は9.3gと、目標量より2.8g多いのが現状です。成人男性(20歳以上)では平均値が11.0gであり、目標量を3.5gほど超えています。無理のない範囲で減塩を心がけ、塩分の摂取を控えるようにしましょう。(※1,3,4)

なぜ塩分を控える必要があるのか

塩分を控える必要があるのは、塩分の過剰摂取が健康によくないためです。塩分(ナトリウム)は水分を保持して血液量を維持するはたらきがあり、血圧のコントロールに深くかかわる栄養素。そのため、過剰に摂ると血液量が増加し、血圧が上昇しやすくなるおそれがあります。

また、塩分を摂り過ぎると、余分な水分が身体にたまり、むくみの症状が出ることも。体内の塩分濃度を下げるために、脳が身体に多くの水分を取り込むよう指示することが原因です。(※5,6)

血圧が気になる方は塩分を一日6.0g未満に

血圧が気になる方や、腎臓に慢性的な疾患を抱えている方は、塩分の摂取目標量が異なります。性別を問わず、一日あたり6.0g未満を目安としましょう。これは、精製塩小さじ1杯に相当する量です。

前述した通り、血圧の上昇に塩分の過剰摂取が関連しているため、血圧をコントロールするうえで塩分の摂取量は重要です。実際に、塩分の摂取量を減らすことにより、血圧の上昇を抑えられたという実験結果が報告されています。(※1,2,7)
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