そのほかのしょうゆの分類方法

製法による分類

JASによるとしょうゆの製造は、「本醸造」「混合醸造」「混合」の3つに分類されます。

3つの分類の大きな違いは、アミノ酸液の有無です。また、アミノ酸液を入れるタイミングによっても分けられています。これらの製法は、「こいくちしょうゆ(本醸造)」のように、商品ラベルの名称欄に「しょうゆの種類+(本醸造・混合醸造・混合)」と記載されているので、確認してみましょう。

本醸造方式

原料となる大豆と小麦を、麹菌や酵母、乳酸菌などの微生物によって発酵・熟成させる日本の伝統的なしょうゆの製法です。麹菌が作り出す酵素の働きにより、じっくりと時間をかけて大豆のたんぱく質をアミノ酸に分解していきます。日本で生産されているしょうゆの約8割が本醸造方式です。色、味、香り、すべてのバランスがとれます。

混合醸造方式

主に大豆のたんぱく源に酸を加えて加水分解してつくったアミノ酸液を、本醸造方式でできた「もろみ」に添加して熟成させる方式です。酸の代わりにたんぱく質分解酵素を用いた酵素分解調味液や、小麦グルテンを発酵・分解した発酵分解調味液を使用する場合もあります。

混合方式

本醸造方式でできた「生揚げ(きあげ)しょうゆ」に、アミノ酸液(または酵素分解調味液や発酵分解調味液)を加える方式です。発酵・熟成はせず、甘味料を併用して使うことが多いため、甘味が強いしょうゆになります。主に九州地方のしょうゆに使われている方式です。

等級による分類

しょうゆは、「特級」「上級」「標準」の3等級がJASによって規定され、ラベルに記載されます。等級の表示は、JASの認定工場で作られ、かつJAS規格に合格したしょうゆのみ。では、等級によってどのような違いがあるのでしょうか。

うまみ成分を表す窒素分

前述のとおり、しょうゆの種類によって、「特級」「上級」「標準」の規格値が定められています。ポイントとなるのは、うま味成分を表す窒素分。うま味成分であるグルタミン酸や多くのアミノ酸類には、窒素が含まれています。そのため、窒素分の値が大きいほどうま味成分が多く含まれているといえるでしょう。
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