ライター : 松 宏彰(カレー細胞)

カレーキュレーター

あらゆるカレーと変な生き物の追求。 生まれついてのスパイスレーダーで日本全国・そして海外あわせ4000軒以上のカレー屋を渡り歩く。 カレーイベント主催、雑誌のカレー特集執筆、TV出…もっとみる

港町・横浜で進化するカレーの現在

Photo by macaroni

横浜のグルメとして、まず思い浮かぶのは中華料理……ですが、カレーだってなかなか侮れません。

港町ならではの洋食カレーだけでなく、スリランカカレーを軸にした丁寧なオリジナルカレー「KIKUYA CURRY(キクヤ カリー)」、激辛チャレンジが楽しい庶民派の「バーグ」、横浜独自のスープカレー「アルペンジロー」など、多彩な魅力に溢れているんです。

さらに2020年あたりからは、先鋭的・革新的なカレー店も続々登場。飲食受難の時代ながら、日本のカレー界に新たな風を吹き込んでいるんです。

今回はそんな最先端の横浜カレーを中心に、見落としがちな実力店も交えて紹介していきます。
前回の記事はこちら▼

1. 時代の先鋭!スパイス料理&日本酒 「スパイスドランカーやぶや」

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

ファッションの世界で、ストリートでの流行とは一線を画したモードの先端があるように、カレーの世界でも未来の可能性を突き詰める先端があります。

スパイスカレーや出汁カレーというコトバがもはや大衆文化となりつつある今、カレーの先端とは何か?といえば、スパイス料理をさまざまな食ジャンルとクロスさせ、新たな価値を生み出す「イノベーティブフュージョン」と、ご飯だけでなくお酒とのマッチングを楽しむ「ペアリング」であると言えます。

そして「スパイスドランカーやぶや」こそが、その両方を兼ね備えた「真打ち」なのです。

シェフの藪さんは元プロボクサー。南インド料理店やパキスタン料理店で修業を積んだ後、浅草での間借り営業を経て、同店をオープンしました。

完全予約制、ペアリング付きのおまかせコースのみという振り切ったコンセプト。この先鋭的な店を、果たしてカレー屋と呼んでよいのかどうか……思いっきりジャンルをはみ出した名店です。

おまかせコース

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

8,800円(税込) 日本酒(熱燗)ペアリングorノンアルペアリング込み
カウンターの向こうから思いもよらないスパイス料理が次々と出てくる、めくるめくスパイス料理コース。インドやパキスタン要素だけでなく、和食やフレンチの要素もあり、次の皿の予想がまったくつきません。

ひとつ言えるのは、どれも抜群のセンスと技術に裏打ちされてメチャクチャおいしいということ。そして、そのひと皿ひと皿にペアリングのための熱燗が付いてくるのですが、これがまた素晴らしい。

よくある上品なだけのペアリングではなく、合わせることで香りや旨味、余韻が増す引き算と掛け算がされています。

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

そして驚くべきは、コースの〆に南インド式のミールスが登場すること!食事も飲み物もボリュームたっぷりに堪能できるんです。

また、お酒が飲めない方やお酒が飲めない状況のためのノンアルペアリングも用意されており、コースの途中で切り替えることができるという親切さです。
店舗情報

2. カレーはアート。味へとリンクする端正なビジュアル「丸祇羅(マルマサラ)」

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

おそらく現在、Instagramにアップすると一番「いいね!」が付くカレー店ではないでしょうか。それだけこの店の端正な盛り付けは、息を飲む美しさ。

と言っても、無意味に飾り立てたチャラさは一切ありません。ひと筋の美学の元に整理・配置された造形美、まるで格式高い建築のような緻密さなのです。

店内も、神社の境内のような静謐さ。流れるBGMもヒグラシの声と、完全なる非日常に包まれます。土日には看板を「CHANG CURRY(チャンカリー)」と変え、より実験的な料理を提供。こちらも要注目です。

本日の丸祇羅

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,200円(税込) トッピング:スパイスラムチョップ 700円、海老セミドライカリー 400円、酸味ポーク 300円(各税込)
その日のメインのカレーに、パリップ(スリランカ風豆カレー)とフェンネルキーマ。間に綺麗に盛られたバスマティライスの上に副菜が点々と。この配置の美しさが丸祇羅の魅力。

スパイスの香りを引き立てた穏やかな味付けで、毎日食べることができる軽やかさです。そんななかで、ゴリゴリにドライなフェンネルキーマの存在が光ります。副菜やちょっとしたカレーのパーツにフルーツが用いられ、味の抑揚にも工夫が光ります。

トッピングでは、ジューシーかつスパイシーに焼かれたラムチョップが絶対的おすすめ!これは逃すべからず。

クルフィー

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

300円(税込)
インドのアイス「クルフィー」だって丸祇羅では繊細な仕上がり。硬めの食感に練乳の甘さ、時折顔を出すナッツも素敵で、これは食後のマストアイテムです。
店舗情報
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