6. 卵液をおたまの8分目ほど入れ、広げて巻く

あいたところにペーパータオルでサラダ油を薄く塗り、焼いた玉子(卵)を奥側に移動し、手前にもサラダ油を薄く塗る。

今度は卵液をおたまの8分目ほど流し入れ(写真左)、全体に広げる。奥に寄せた玉子を軽く持ち上げて、焼いた玉子(卵)の下にも卵液を流し込む(写真右)。
すぐに、奥側から手前の方向に巻いていく。
「だし巻き玉子(卵)は強めの火加減で、卵液を流し入れてすぐに巻いていくのが基本。これを『巻き流し』といって、全体に広げた卵液が半熟状態のまま巻いていくことで、ふっくらやわらかいだし巻き玉子(卵)に仕上がります」

7. 同様に残りの卵液を焼いていく

残りの卵液も6の工程を5〜6回繰り返し、同様に焼く。
最後に卵焼き器を傾けて、焼いた玉子(卵)を縁に押しつけて焼き、形をととのえる。余分な水分を取ってくれる木製のまな板、または通気性のいい巻きすに取り出す。 
「だし巻き玉子(卵)が熱いうちに巻きすで包んで固定しておくと、角を丸く整えることができます。また、おもてなしの食卓に出したいときは、縁起のいいひさご形(ひょうたん形)に整えるのもいいでしょう」

8. 3〜5分たったら、好みの大きさに切り分ける

3〜5分たって形が落ち着いたら、好みの大きさに切り分けて器に盛る。

【だし巻き玉子(卵)の保存方法】

だし巻き玉子(卵)は基本、保存にはあまり向きません。おいしく食べるタイミングは、だしの風味が際立つできたてをいただくのが一番おすすめです。
ただし、すぐに食べられない場合や食べきれなかった場合、粗熱をしっかりとってから乾燥しないようにラップで包み、清潔な保存容器に入れ冷蔵庫へ。翌日には食べきりましょう。
「日持ちさせたい場合は、だしの量を減らして煮きった酒、煮きったみりん、砂糖を加え、甘めに仕上げると2〜3日は保存ができるようになりますよ」

ふんわり上品! できたてのだし巻き玉子(卵)はすぐに食べるべし

だし巻き玉子(卵)に染め卸し(大根おろしに濃口醤油で色をつけたもの)を添えて
できあがっただし巻き玉子(卵)を切ってから器に盛ると、美しい黄色の断面がお目見え。箸で持ったときの感触は、とってもやわらか!

ひと口食べると、だしの旨みが口の中にジュワーと広がります。塩分は控えめなのに、味わいは豊かで、とても上品な仕上がり。お店クオリティのだし巻き玉子に感動です!

【お正月の盛りつけ例】だし巻き玉子(卵)を縁起ものと一緒に盛りつければ、おせちの一品としても◎

だし巻き玉子(卵)は盛りつけ次第で、おもてなしにもぴったりな一品に! きれいな器に盛って、黒豆の松葉串さしやミニトマトのコンポート、染め卸しなどを添えれば、食卓が一気に華やかになります。お正月などハレの日に取り入れたいテクニックです。
いかがでしたか? この作り方なら、ご家庭でもプロの味わいを楽しめます。ぜひ、だしから自分でとって作ってみてくださいね!

Photo by フーディー

<よし邑>冨澤浩一さん 千坪の広大な敷地で、庭園を眺めながら四季折々の日本料理を楽しめる<よし邑>の総料理長。豊富な経験を元に、日本各地から厳選して取り寄せた旬の食材を使用し、素材の味をいかしたシンプルでありながらも味わい深い料理と得意とする。2017年「現代の名工」、2020年「黄綬褒章」受章。
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