ライター : 松 宏彰(カレー細胞)

カレーキュレーター

食のシルバーステージ「銀座」には、特別なカレーがいっぱい

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

古くから名士たちが通う、食の歴史に彩られた街・銀座。そこには当然のごとく、カレーの歴史も詰まっています。

日本最古のインド料理店やカツカレー発祥の店から、イノベーティブな領域に挑む注目店まで、古今カレー史に残る名店を、街がゆったりとした今こそ巡ってみませんか?

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1. 日本最古のインド料理店の、特別なひと皿「ナイルレストラン」

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店に入るや否や「ムルギーランチね!」と決められ、他メニューがなかなか頼めないことで有名な「ナイルレストラン」。実はここ、日本最古のインド料理専門店なのです。

創業者のA.M.ナイルさんは「インド独立連盟」設立にも携わったインド独立運動の闘士であり、インド以外のアジア各国の、植民地からの独立を呼びかけた歴史上の重要人物。

ナイル氏が日印平和条約の業務に携わっていた1949年に開業したのが、この「ナイルレストラン」です。現在は二代目のG.M.ナイルさん、三代目のナイル善己さんがお店を切り盛りしています。

ムルギーランチ

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1,500円(税込)
「マジェマジェ(混ぜ混ぜ)してね」でおなじみ、創業時から変わらない歴史的なひと皿です。創業者A.M.ナイル氏は南インド、ケララ州のトリバンドラム出身。混ぜて食べるスタイルは、まさにその地のミールスそのもの。

けれどそこに配置されたカレー、マッシュポテト、チキン、ライス、キャベツはまんまケララのスタイルにあらず。日本人がインド料理に親しみ、楽しめるように編み出された、ここだけのオリジナルです。

贅沢ボリュームのチキンは地鶏、お米は岩手の「いわてっこ」を用いるなど、日本のおいしい食材もふんだんに活かされた、まさに日印友好料理。ディナーの「おまかせコース」でも、〆にちゃっかり出てきますよ。
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2. カツカレー発祥店の、特別なカレー「銀座スイス」

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銀座で1947年創業の老舗洋食店。銀のお皿に盛られたカレーライスにカツをのせ、それを「カツカレー」と呼んだ最初のお店です。

今では英国でも大人気な日本のカツカレー。その誕生となったきっかけは、このお店の常連だった巨人軍の千葉茂選手のこんな注文。

「ポークカツレツとカレーをひとつの皿に一緒にして出してくれ。早く食べられるし、ボリュームもある」

こうして生まれたカツカレー、今では「上カツカレーライス」にあたる「千葉さんのカツレツカレー」という名に受け継がれています。

千葉さんのカツレツカレー

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1,870円(税込)
注文を受けてから揚げる豚ロースのカツは、衣が分厚めでサクサクジューシー。対するすりおろし野菜と挽き肉のカレーは、かなり濃厚な味わいです。

「カツに合うカレー」として長年研究を重ねたというのですから、なるほどのマッチング。まさにカツカレーの原点にして、良き基準点といえるでしょう。
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3. 人気チョコ店の、特別なチョコレートカレー「ピエール マルコリーニ銀座本店」

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チョコ好きを唸らせるベルギーの高級チョコブランド「PIERRE MARCOLINI(ピエール マルコリーニ)」。その銀座本店の2階にあるカフェでは、なんとチョコレートカレーを提供しているんです。

徹底的にカカオにこだわるピエール マルコリーニですが、いわばカカオもスパイス。そのカレーは一度食べてみるべき逸品です。

カレーは11時30分から売り切れまでの提供、数量限定なのでお早めに。チョコ好きでカレー好きであるあなたなら、絶対行かねばならない場所ですよ。
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