ライター : FOODIE

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この記事は、三越伊勢丹が運営する、「FOODIE」の提供でお送りします。
家庭料理の定番、豚肉の生姜(しょうが)焼き。新生活をむかえて自炊を始めた人が、最初に覚えたい基本の料理のひとつですよね。でも、生姜焼き用の厚めの豚肉を使ったり、薄切りの豚肉を使ったり、粉をふったり、ふらなかったりと、巷にはいろいろなレシピがあります。結局どれが正解なのでしょうか…?
「安心してください! そもそも生姜焼きは、生姜焼き用の厚めの豚肉でも、薄切り肉でも、どちらの肉でも作れます。調味料も同じでOK。ただし重要なことは、肉の厚みによって粉の使い方や調理方法を少しだけ変えることです。それを覚えておけば、どんなレシピで作っていいか迷うこともなくなり、おいしく作ることができますよ」
そう教えてくれたのは、伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフ。そこで今回は、肉の厚みが違う豚肉で作る、生姜焼きのベストなレシピを2つ、柬理シェフに教えてもらいました。
まずは、具体的な生姜焼きのレシピに入るまえに、初心者が迷いやすい「肉の選び方」と「粉の使い方」の基本について、肉の厚みでどう違うのか解説してもらいましょう。

【肉の厚みで違う生姜焼きの基本① 肉の選び方】

厚みのある「生姜焼き用」のロース肉は2種類ある。やわらかくて歯切れのいい「リブロース」を選ぼう!

豚リブロース肉(上写真)の特徴は、脂が肉の中央に入っている
肉売り場でよく見かけるのが3〜4mm厚さの「生姜焼き用」という豚肉です。これは豚ロースという部位が使われていることが多く、実は豚ロースといっても2種類あります。1つは豚肩ロース側にある「リブ」、もう1つはもも肉側にある豚ロースの「ロイン」。
生姜焼きを作るなら、やわらかくて歯切れのいい豚ロースの「リブ」を選ぶのがおすすめ! 見分け方は簡単で「リブ」は肉の真ん中に脂があるのが特徴。「ロイン」は上(肉の片側一面)に脂がついています。

厚みの薄い「薄切り肉」は「脂の多いもの」をチョイス!

薄切り肉を使う場合は、脂の少ないロースではなく、脂の多いバラ肉を使用してください。脂が多ければ、こま切れ肉やしゃぶしゃぶ用肉でも問題ありません。
薄切り肉で生姜焼きを作るとき、小麦粉をまぶさず作るのがおすすめなので、脂身の多い部位を使ったほうがパサつかずに仕上がります。
柬理シェフ曰く、選び方にさえ気をつければ、どちらの肉でもおいしく、生姜焼きを作ることができるそう。
「肉の旨みを堪能したいなら、厚めの『豚ロース生姜焼き用肉』、食べやすさとタレのからみ具合を求めるなら、『豚薄切りの肉(こま切れ肉やしゃぶしゃぶ用肉でも可)』で作るのがおすすめです」

【肉の厚みで違う生姜焼きの基本② 粉の使い方】

厚みのある「豚ロース生姜焼き用肉」は、「粉をふって」パサつきを防ぐ!

生姜焼きにおける小麦粉の役割は、タレを肉にからめやすくすること。パサつきやすいロース肉の表面に粉をまぶすことで、水分を逃さず、しっとり肉を焼き上げることができます。さらにしっかりと表面を焼くことで、小麦粉の焼いた風味が加わり、旨みがアップ。

「豚バラ薄切り肉」は、「粉をふらず」に肉の味わいをしっかり活かして!

一方で、薄切り肉に小麦粉をまぶしてしまうと、表面積が大きい分、使用する粉の量が必然的に多くなります。そうすると、肉本来の食感が失われてしまいがちに。さらに小麦粉が焼ききれず、粉の味が主張しすぎる仕上がりになってしまいます。薄い豚肉を使う場合は、小麦粉をまぶさずに焼くのが正解!
なるほど! 一見、小麦粉を使用した方がいいように思いますが、薄切り肉の場合は、必ずしもメリットにはならないんですね。
あと1つ、気になっているのですが、生姜焼きのレシピによっては、事前にタレ(下味の調味料)に漬け込むものとそうでないものがあります。こちらはどちらがいいのでしょうか? 柬理シェフに聞いてみました。

【疑問】焼くまえに、豚肉はタレに漬け込むか否か?

肉の厚みに関係なく、漬け込む必要はなし! 肉は肉でおいしく焼いてから、タレをからめるのが正解

「個人的には、生姜焼きは肉の厚みに関わらず、タレに漬け込む必要はないと思っています。タレに漬け込んだ豚肉をフライパンで焼くと、しょうゆの焦げた香りがつくだけで、焼いた肉の旨みを引き出せません」と柬理シェフ。
「おそらく肉をタレに漬け込む意味は、肉の臭みを消し、味をしみ込ませるために漬け込むのだと思いますが、現在の生肉は昔ほど臭みがないので、そこまで気にする必要はない」とうから納得です。
「厚みがある豚肉といっても、生姜焼き用の豚肉くらいの厚みなら、焼いたあとでタレにからめても充分に味がつくので不要です。タレに漬け込むことよりも、重要なことは、肉は肉でおいしく焼いて、タレは焦がさずにからめてあげること。それが、もっともおいしく仕上げる方法だと思います!」
プロならではの理論的な意見ですね。これからは生姜焼きの豚肉はタレに漬けておかなくてもOKと覚えました!
それでは、大変おまたせしました! 実際にレシピをご紹介します。まずは、厚みのある豚肉「豚ロース生姜焼き用肉」で作る生姜焼きから見ていきましょう。

【厚みのある豚肉で作るレシピ①】粉をふってしっとり! 生姜焼き用豚肉の生姜焼き

まずは、一般的に「生姜焼き用」とパッケージに記載されている、少し厚めの豚ロース肉の生姜焼きレシピを紹介します。粉をまぶして焼いた豚肉は、噛むたび肉の旨みが感じられて食べ応え抜群! シャキシャキとした玉ねぎの食感もいいアクセントです。甘辛く、パンチのある味つけは白いご飯が進むこと間違いなし!

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