9. 東海三県のソウルフード「スガキヤのラーメン」

名古屋の中心部・栄エリアで、昭和21年に甘味処からスタートした「スガキヤ」。ラーメン一杯330円という価格設定から、子供の頃から慣れ親しむ方も多く、ソウルフード的なポジションをキープしています。

ちょっとリッチに肉入りにするか、玉子入りにするか、はたまた食べたあとにソフトクリームでシメるのか、お財布と相談しながら悩んだのも東海三県人にとっては良き思い出。スープの香りをかいだ途端、当時の様子がフラッシュバックする郷土の味覚です。

サブメニューが看板メニューに「スガキヤ」

開業から2年後にラーメンが加わり、店名は「寿がきや」となりました。和風とんこつスープをベースにしたラーメンは、独特な味わいとリーズナブルな価格が受け、たちまち看板メニューに。スーパーマーケットのフードコートを中心に店舗を増やし、東海三県ではおなじみの味わいになりました。

平成12年にはお店の味とソックリのカップラーメンも登場しました。故郷を離れている東海三県人はお土産として買い求め、全国へと郷愁を持ち帰っています。

また、創業者が開発したラーメンフォークもスガキヤ名物です。大量に捨てられる割り箸に疑問を持ち、創業者が開発したラーメンフォークは、ラーメンをすすれてスープも飲めるアイデアグッズ。訪れた際にはぜひ使ってみてください。

ラーメン

スガキヤのラーメンの特徴は、なんといっても「和風とんこつスープ」。豚ガラから抽出したとんこつスープに、昆布や魚介のダシを合わせたダブルスープです。香り高いスープが中太麺に絡み、初めて食べる方でも「懐かしさ」を感じるはず。

スガキヤ特製焼豚1枚とメンマ、ネギが入って330円はとってもリーズナブル!ソフトクリーム160円をプラスしても500円以内でおさまるため、常に部活帰りの学生たちで賑わっています。
店舗情報

10. ペロンつるんっとなめらか「きしめん」

同じ名古屋メシでも、「味噌煮込みうどん」とは対極の食感をもつのが「きしめん」です。味噌煮込みうどんの麺を鋼(はがね)と例えるなら、きしめんは絹織物のよう。

特に手打ちしたものは、しなやかなのにコシがあり、唇をすり抜ける感覚が唯一無二。薄さや幅に店主の個性が表れ、食べ比べると違いを実感できます。

冷たいきしめんは「きしころ(きし香露)」と呼ばれ、名古屋の夏の風物詩。毎年「きしころスタンプラリー」が開催され、きしめん自慢のお店が腕を競い合います。夏に名古屋を訪れる際は、ぜひ「きしころ」を堪能してみてください。

飲んだあとのシメにも「総本家えびすや本店」

昭和2年創業の「総本家えびすや本店」。名古屋の繁華街・錦エリアのど真ん中にあるうえ、平日は25時まで営業とあって、飲み会帰りの方々で連日賑わいます。

麺類はすべて手打ちで、きしめんは少し幅広なのが特徴的。口に含むと手打ちならではの滑らかさが際立ちます。

大きなエビ天がドンとのった「えびおろしきしめん」や「味噌カツきしめん」、「海老カレーきしめん」など、遊び心のあるメニューが豊富にそろっているのも魅力です。

えびおろしきしめん

丼からはみ出るほど大きなエビ天がのった「えびおろしきしめん」が看板メニュー。たまり醤油を使った濃いめのダシに、大根おろしと天ぷらのコクが加わることで、味わいがマイルドになります。

なめらかなきしめんがダシをグイッと引き上げ、口の中で渾然一体に。見た目も味わいも贅沢な一杯が、高い満足度を約束してくれます。
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