ライター : つゆくぼみえ

料理探求人&フードライター

愛知県出身&在住。三河と尾張地方を縦横無尽に動き回り、美味しいものを求めて食べ、自宅で再現し、書き記すことがライフワーク。お酒全般にも目がありません。

名古屋の伝説的喫茶店「西アサヒ」の歴史を受け継ぐ「なごのや」

Photo by なごのや

2015年に喫茶店、食堂、宿を融合させて誕生した「なごのや」。その前身は、1932年に創業し、惜しまれながら約80年の歴史にピリオドを打った伝説の喫茶店「西アサヒ」です。「西アサヒ」が育んだ名古屋の喫茶店文化を継承しつつ、性別や年齢、国籍を問わない社交場として、新たなスタートを切りました。

名古屋人の生活に密着した喫茶店文化とは?

Photo by つゆくぼみえ

名古屋に喫茶店文化が本格的に根付いたのは戦後のこと。しかし、そのルーツは江戸時代にまでさかのぼるという説もあります。

というのも、名古屋は尾張徳川家のお膝元で、代々の藩主や家臣は茶の湯や能、舞踊など、芸事に熱心でした。七代藩主・宗春の頃には茶の湯が大ブームとなり、庶民にも茶を楽しむ習慣が根付いたとか。こうした背景から「コーヒーで一服する」というスタイルが定着したようです。

Photo by なごのや

また、喫茶店を特別な存在にした理由のひとつに、愛知県を中心とした「モーニング」があります。飲み物の代金だけでトーストやゆでたまご、サラダなどがつくサービスで、提供店舗の増加とともにサービス合戦が始まりました。

名古屋の喫茶店はカレーやナポリタン、サンドイッチなどの軽食が充実しているのも大きな特徴。名古屋人にとってモーニングは、出勤前の朝食やランチ、休日のブランチ、ランチ後の一服など、さまざまなシーンで利用する、日常生活に密着した存在なのです。

昭和の風情を残す「円頓寺商店街」の新たな顔に

Photo by つゆくぼみえ

「なごのや」が位置するのは、古き良き昭和の風情を残す名古屋の「円頓寺(えんどうじ)商店街」。名古屋駅から徒歩圏内ながら、タイムスリップしたような感覚が得られるエリアです。

「西アサヒ」がご主人の引退とともに惜しまれつつ店を閉じたところ、「歴史あるお店をこのまま終わらせてはもったいない!」と立ち上がったのが現オーナーの田尾さん。意志を受け継ぐかたちで、新たな歴史を刻み始めました。

名物メニューを再現した「タマゴサンド」

Photo by つゆくぼみえ

「西アサヒ」が看板メニューとして掲げていたのが「タマゴサンド」。ご主人が店を閉めると決めて少し経ったころ、当時人気を博していた全国区のテレビ番組でお店の「タマゴサンド」が紹介されました。有名芸能人が絶賛したことから、地元名古屋でも改めて注目を浴び、連日大にぎわいになったといいます。

Photo by つゆくぼみえ

それだけの看板メニューを過去のものにしてはいけないと、「なごのや」でもメニューを再現するために試行錯誤を繰り返しました。お店に残された手描きの画を参考にし、近所のご常連から意見を聞きつつ、ようやく今のレシピが完成。円頓寺商店街の名物として復活を遂げました。

なごのや名物タマゴサンド

Photo by つゆくぼみえ

750円(税込)
「タマゴサンド」と言っても、ゆで卵のマヨネーズ和えをはさんだものとは、見た目も味わいもまったく異なります。

卵3個をぜいたくに使い、空気を含ませながらフワッフワに焼き上げた卵焼きがメインの具。そこへ辛子マヨネーズで和えた刻みキュウリを合わせます。

Photo by つゆくぼみえ

食べやすさと食感を活かすため、ふたつの具の間に食パンをはさみ、五層構造に。食感と味わいの絶妙なコンビネーションで、最後まで飽きることなく食べられます。

商店街の名物メンチカツが定食に!

となりのまるこのミンチカツとからあげ定食(サラダ・味噌汁付)

Photo by つゆくぼみえ

930円(税込)
「なごのや」らしいメニューとしてご紹介したいのが「となりのまるこのミンチカツとからあげ定食」。その名の通り、お隣の老舗精肉店「肉の丸小」のミンチカツと自家製唐揚げを盛り合わせたメニューです。

「肉の丸小」のミンチカツは、度々メディアでも取り上げられる円頓寺商店街きっての名物。肉のプロが厳選した新鮮なミンチを使っているため、ジューシーな肉汁とあふれる旨味が楽しめます。近隣にお勤めの方や観光客にも好評なひと品です。
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