ライター : つゆくぼみえ

料理探求人&フードライター

1. ソースでは表現できない世界観「味噌カツ」

味噌カツの特徴とは?

「とんかつソース」という商品名があるように、とんかつにはソースをかけるのが一般的です。しかし、名古屋を中心とした中部圏では「味噌カツ」が市民権を得ています。

その要因として挙げられるのが、三河出身の徳川家康が愛した「八丁味噌」。豆のみで醸造した八丁味噌が生活に根付き、その愛はとんかつにまで及んだようです。

甘じょっぱい味噌ダレが、豚の脂と衣をマイルドにコーティング。ソースでは表現できない世界観を創出します。

味噌カツを全国に紹介した「矢場とん」

味噌カツの始まりは、終戦直後の屋台で、土手鍋の味噌ダレに串カツを浸して食べたこととされています。

秘伝の味噌ダレを開発し、昭和22年に名古屋の矢場町で開業したのが「矢場のとんかつ」。地元の人気店となり、いつしか略して「矢場とん」と呼ばれるようになりました。
1,400円(税込)
「矢場とん」の味噌カツは、ドロっと濃いタレではなく、サラリとした味噌ダレに浸して提供されます。

数あるメニューのなかでもインパクトがあるのが「わらじとんかつ」。文字通りわらじを連想させる表面積を誇り、ボリュームたっぷり。味噌ダレのほか、ソースで楽しむこともできます。
矢場とん矢場町本店
住所
〒460-0011
愛知県名古屋市中区大須3丁目6−18
営業時間
土曜日
11:00〜21:00
月曜日
11:00〜21:00
火曜日
11:00〜21:00
水曜日
11:00〜21:00
木曜日
11:00〜21:00
金曜日
11:00〜21:00
土曜日
11:00〜21:00
日曜日
11:00〜21:00
開閉
電話番号
052-252-8810
メニュー
メニュー:tabelog.com
最寄駅
名古屋市営地下鉄 名城線「矢場町」駅4番出口より徒歩5分 名古屋市営地下鉄 鶴舞線「上前津」駅9番出口より徒歩5分
ランチ提供
ランチ
ディナー提供
ディナー

2. 煮込み尽くしてもアルデンテ「味噌煮込みうどん」

ところ変わればうどんも変わる、といっても過言ではないほど、地方色が表れるうどん料理。

「味噌煮込みうどん」は、名古屋人がこよなく愛する「八丁味噌」ベースのダシに、塩なしで打った極太うどんを、ゆでずに直接入れて煮込むのが基本です。初めて食べた方は「麺の中心まで火が通ってない!」と驚いたのでは?これは生煮えではなく、味噌煮込みうどんの特徴です。煮込み尽くしてもアルデンテの状態が続きます(実験済み)。

ただし、名古屋人でもやわらかい麺を好む方は多数。皆ひいきのお店をもち、「私は〇〇のダシが好き!」「俺は〇〇の麺が好み」と、味噌煮込みうどんが話題にのぼれば、談義に花を咲かせます。

名古屋の家庭料理をブラッシュアップした「山本屋総本家」

大正14年に名古屋の下町・大須で開業した「山本屋総本家」。名古屋の家庭で作られていた味噌煮込みうどんをブラッシュアップし、名古屋名物にした立役者です。

うどんに使う小麦粉は国産100%。塩を入れずに打ち、生のまま味噌ダシに入れて煮込みます。フタをせずに煮込むことから、土鍋のフタは穴が空いていない特注品。提供するときにかぶせ、食べるときには小皿代わりになるスグレものです。

フタを開けると、味噌の奥深い香りとともに湯気が立ちのぼり、食欲をそそります。
かしわ(鶏肉)と卵が入るから「親子煮込うどん」。鶏肉の旨味が味噌ダシにうつり、コクのあるスープに仕上がります。ゆで上げずそのまま入れた麺は芯の強さを誇り、いつまで経っても伸びないのが特徴です。

また、提供時の卵は半熟状態ですが、グツグツと煮込むうちに白身と黄身に火が入り始めます。好みのタイミングを見計らって食べましょう。最後まで卵を残しておき、白いご飯にのせて食べるのもおすすめです。
山本屋総本家 本家
住所
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄3丁目12−19
営業時間
土曜日
11:00〜15:30
月曜日
11:00〜15:30
火曜日
定休日
水曜日
定休日
木曜日
11:00〜15:30
金曜日
11:00〜15:30
土曜日
11:00〜15:30
日曜日
11:00〜15:30
開閉
電話番号
052-241-5617
メニュー
メニュー:tabelog.com
最寄駅
名古屋市営地下鉄 名城線「矢場町」駅より徒歩7分 名古屋市営地下鉄 名城線・東山線「栄」駅より徒歩7分 名古屋市営バス(中巡回)「三ツ蔵通本町」停留所より徒歩3分
ランチ提供
ランチ
ディナー提供
ディナー

3. 喫茶店のおもてなし合戦「モーニング」

ドリンクの注文のみで、ゆで卵やトースト、サラダなどのサービスが受けられる「モーニング」。毛織物産業が盛んだった愛知県一宮市で、「はたや(機織業を営む方)」の常連客に、ゆで卵やピーナッツをサービスしたのが始まりとされています。

今ではうどんやコロッケ、茶碗蒸しやケーキをサービスするお店が登場し、ついには一日中モーニングサービスをおこなうお店まで……。各店が負けられない戦いを繰り広げる名古屋は、喫茶店の激戦区。サービス合戦の恩恵を受けない手はありません。

一日中なのにモーニング!?「モーニング喫茶リヨン」

「モーニング喫茶」と聞いて、朝のみの営業と思う方が多いでしょう。ところがこちらのお店、毎日朝8時から午後6時までフルタイムでモーニングサービスを提供しています。名古屋観光の名所的存在で、お店の前には行列ができることも。ドリンク1杯の価格でトーストやプレスサンドが付くとあれば納得です。

モーニング以外にもカレーライスやハヤシライス、オムライスなど、喫茶店の定番メニューがリーズナブルな価格で食べられます。
コーヒー1杯の値段で、小倉あんのプレスサンドがセットに。朝から活力がみなぎりそうですね。そのほかにも、トーストと卵とカステラのセット、ポテトサラダプレスサンド、ピーナッツクリームプレスサンドなどがあります。
モーニング喫茶 リヨン
住所
〒453-0003
愛知県名古屋市中村区名駅南1丁目24−30 三井ビル別館 B1F
営業時間
土曜日
08:00〜16:00
月曜日
08:00〜16:00
火曜日
08:00〜16:00
水曜日
08:00〜16:00
木曜日
08:00〜16:00
金曜日
08:00〜16:00
土曜日
08:00〜16:00
日曜日
08:00〜16:00
開閉
電話番号
052-551-3865
メニュー
メニュー:tabelog.com
最寄駅
名古屋駅より徒歩5分
朝食提供
朝食
ランチ提供
ランチ
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