ライター : 松 宏彰(カレー細胞)

カレーキュレーター

カフェカレー文化が根付く「吉祥寺」のおすすめカレー【カレー最前線 #5】

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

カフェカレーを代表する「茶房 武蔵野文庫」のカレーセット。詳しくはのちほど。
映画・演劇・音楽・アニメ……どメジャーとは少し違う個性をもったアーティストたちを育んできた、いわゆる「中央線カルチャー」。東京付近にお住まいの方なら、JR中央線界隈の街がどこも個性的なのが、お分かりいただけるでしょう。

今なら「サブカル(サブカルチャー)」という言葉で片づけられてしまいそうですが、いやいや、世界に誇るジャパニーズカルチャーの大半はサブカルから生まれてきたわけです。

サブカルはもはやメインカルチャーなのであり、いや、それならサブカルと呼ぶこと自体に矛盾が……。

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

演劇人たちが集う「くぐつ草」の洞窟のような店内。こちらものちほどご紹介。
なんて、ちょっとややこしい話から始めてしまいましたが、今回のテーマは「吉祥寺カレー」

中央線カルチャーの中心地としてさまざまなアーティストたちが生息するこの街には、昔からそのような人達が自然に集まるカフェやバーがたくさんありました。

確とした個性と信念を持つアーティストたちは、同じようなお店を好むわけで、そんなお店には高確率で、個性派カレーがあるわけです。

「まめ蔵」「武蔵野文庫」「くぐつ草」、吉祥寺三大カフェカレーと呼ばれたこれらのお店では今も昔も、カレーと珈琲をお供に演劇論や演出論を語り合う風景が見られます。

「カレーはカルチャー」が色濃く具現化されている吉祥寺、その最新事情をお届けしましょう。

東京都内で本当におすすめのカレーまとめはこちら▼

1. 東京カフェカレー文化のパイオニア「まめ蔵」(北口)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1978年のオープン以来、「カレーを目当てにカフェに行く」というカフェカレーのシーンを開拓。下北沢「茄子おやじ」、国立「いんでぃ庵」など、各地に“まめ蔵系”と呼ばれるカレーの名店たちを生み出した、まさにカフェカレー界の大御所です。

3日かけて煮込んだコク深いカレーは、開店以来変わらぬ味。そんな同店のオーナーは、南椌椌(みなみくうくう)という名で絵本やテラコッタ(素焼き)の作家活動をしており、その絵は店内にも飾られています。

スペシャルカレー

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,250円(税込)
具材がいろいろ選べる「まめ蔵」。“迷ったら全部の法則”でいくならこちらがおすすめです。肉(ビーフ・ポーク・チキンから選択)・やさい・豆まめ・ゆで玉子のミックスという贅沢仕立てのカレー。

辛さは抑えめでコクたっぷりのカレーに、具材それぞれの食感が入り混じり、ここにしかない魅力にあふれたひと皿になっています。
店舗情報

2. 文学とスパイスの香り漂う「茶房 武蔵野文庫」(北口)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

早稲田で35年続いた「茶房 早稲田文庫」を引き継ぐ形で1985年にオープン。こちらも、昔から変わらぬ人気を保っています。

絵画や古美術品、書籍が並ぶ店内はまさに「文庫」。カレーやコーヒーが入る小石原焼の器やカップは、店内で購入することもできますよ。

カレーセット

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,300円(税込)
「茶房 早稲田文庫」から受け継いだ秘伝のレシピで作る名物カレー。小麦粉、玉ねぎをじっくり炒めたルーから作っているのです。「カレーセット」では、そこにサラダと、コーヒー/紅茶/ヨーグルトいずれかを選んで付けられます。

沁みるような味わいのカレー、ホロホロに煮込んだ大ぶりの鶏肉も圧巻!しっかりほぐしていただきましょう。

ある程度楽しんだら、薬味のらっきょうやお漬物をガーッとカレーに混ぜ込むのが個人的おすすめ。せっかくなので、コク深く香り高いコーヒーとともに堪能してみてください。

焼きリンゴ

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700円(税込)
10〜2月限定の「焼きリンゴ」も同店の隠れた名物。出逢ったら、ぜひ食べてほしい逸品です。熟したリンゴの芯を抜き、レーズンとラム酒とザラメを入れてオーブンで焼き上げ、仕上げにホイップクリームをトッピング。

これはまさに“アップルパイのパイ抜き”。オトナの贅沢気分に浸れますよ。
店舗情報
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