ライター : 松 宏彰(カレー細胞)

カレーキュレーター

創業50年超えも当たり前!? 安くておいしい新橋カレー

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日本の高度経済成長を支えたサラリーマンの街・新橋。庶民派の飲み屋が軒を連ねる一方で、ビジネスランチに最適なカレーショップも昔からたくさん。

しかも特筆すべきは、その歴史の長さ。街の至るところで、ビックリするような老舗が当たり前のように営業しているんです。東京で昭和カレー気分を味わうなら新橋が一番。

というわけで、今回は新橋でおすすめしたいカレー店を紹介します。ただしビジネス街だけに狙い目は平日ランチ。週末や祝日はお休みの店舗が多いことには注意ですよ。

1. 昭和33年創業。新橋を代表する駅前カレー「カリカル」

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新橋駅直結の地下街にある、お馴染みの「駅前カレースタンド」ですが、実は1958年(昭和33年)創業という老舗中の老舗。

ソースポットで提供されるカレーはいわゆる日本のカレーライスではなく、はたまたインド現地のカレーでもない、いわば「昭和の印度カレー」です。

ピリッと辛く、じんわり毛穴が開くカレーはクセになります。個人的オススメの新橋定番カレー店です。

印度ルー・カツカレー

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1,030円(税込)
「欧風ルー」「印度ルー」というふたつのベースから選べるこのお店。オススメは「印度ルー」のカツカレー、通称「印度カツ」です。実際のインドじゃあまり食べられないカツカレーですが、そこは昭和の外食ロマンのなかの印度。

真っ黒な「印度ルー」はどこか「デリー」(銀座、上野)のカシミールカレーのようでもあり、けれど辛さはちょっと控えめで、けれどやっぱりじんわり毛穴が開いてくるのです。サックリした衣、肉厚のカツとも不思議にマッチ!
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2. 戦時中から続く黄色いカレーライス「カレーの店 スマトラ」

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こちらはさらに古いお店。創業はなんと1943年(昭和18年)、第二次世界大戦の真っ只中です。カレー専門店となってから、2023年で50年という老舗。お店の看板も、カレーの味も、まさにリアルな昭和レトロ。

メニューは1種類で提供も早いので、時間のないときのランチにもうってつけです。ちなみに店内は撮影禁止となっています。

スマトラカレー

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650円(税込)
小麦粉不使用ながら程よいとろみ、豚脂の旨み、そして独特のざらっとした食感。辛さは控えめながらじんわりとスパイシーです。

卓上にある福神漬、紅生姜など4種の薬味で味変しながらいただきましょう。昨今流行りのスパイスカレーともリッチな欧風カレーともまったく違う、これぞ昭和のオールドスタイルカレーです。
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3. 19世紀から続くカウンター洋食のカレー「むさしや」

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SL広場の横にあるニュー新橋ビルはカレー店の宝庫。立食いそば屋なのにインドカレーがおいしい「丹波屋」、蒲田のとんかつ名店「檍(あおき)」が手掛けるカツカレー専門店「いっぺこっぺ」、そしてこの「むさしや」を忘れてはいけません。

創業はなんと1885年(明治18年)、2023年で138年という洋食スタンド。銀座「煉瓦亭」や日比谷「松本楼」より古い、日本洋食界の大古参です。

不動の一番人気はオムライスですが、最近はインド料理をメニューに取り入れるなどカレー色が濃くなっているのが嬉しいところ。お昼どきは行列ができることもしばしばですが、回転は速いので怯むことなきよう。
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