ライター : 松 宏彰(カレー細胞)

カレーキュレーター

スパイスでココロとカラダを整える!東京のおすすめ薬膳カレー

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

最近、「薬膳カレー」と銘打つお店が東京を中心に増えています。コロナ禍で健康を気遣う場面が多くなったのが一因かもしれません。

そもそもカレーに用いるスパイスには、茴香=フェンネル、丁子=クローブ、八角=スターアニスというように漢方薬と共通のものが多いですし、インドやスリランカの食事は「アーユルヴェーダ」という医食同源の考えに基づいています。

そう考えれば「カレーはみんな薬膳」と言いたくもなりますが、それは間違い。どんなにいい薬だって摂りすぎたり、カラダのコンディションに合わなかったりしたら逆効果なのですから。

今回紹介する「薬膳カレー」のお店は、中医学やアーユルヴェーダといった医食同源の考えに基づき、気候・食べる人の体質・コンディションと、スパイスや食材の効能を意識して提供しているお店ばかり。おいしく食べてココロとカラダのコンディションを整えるだけでなく、スパイスや食材について学ぶ楽しさだってありますよ。

前回の連載記事はこちら▼

1. 東京を代表する薬膳カレーの名店「香食楽(かくら)」(中目黒)

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「薬膳カレーってなに?」そう思ったらまず訪れるべきは、中目黒にあるこのお店。店名には、スパイスやハーブたち(香)を、おいしく食べて(食)、毎日をもっと楽しく元気に(楽)という意味が込められています。

店主の井村真沙子さんは栄養士と国際薬膳師の知恵を活かし、スパイスや生薬を独自配合。中医学に基づき、さまざまなコンディションに合わせたカレーを提供しています。

辛さを控え、素材の甘みを活かした独特なおいしさも特徴で、「カレーは食べたいけど辛いのは苦手」なんて方にもおすすめです。

4種盛りカレー

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2,200円(税込)
「香食楽(かくら)」のメインとなるカレーは、以下の4種類。

食べ過ぎ・飲み過ぎ・肌荒れなどの方向けの「香食楽カレー」、肩コリ・イライラ・お腹にガスが溜まりやすい方向けの「巡るカレー」、ダイエット中の方向けの「ベジカレー」、香食楽カレーに黒ごま、イカ墨、豆鼓など黒い食材をプラス、アンチエイジングを意識する方向けの「黒カレー」です。

それぞれのコンディションに合わせた4種のカレーですが、平日限定でなんと、4種盛りができちゃうんです(土日は2種盛りまで)。まずはひと通り味わってみて、次から自分に合ったカレーを頼んでみるのもいいですね。

中目黒のおすすめカレーはこちら▼
店舗情報

2. 昭和から続く薬膳カレーの老舗「薬膳カレーじねんじょ」(谷中)

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1987年創業、東京薬膳カレーの老舗。店名は山芋の別名「自然薯」からきています。かつては白山にもお店がありましたが、現在はこちら谷中店のみ。

カレーは化学調味料無添加、バター・ラード・増粘剤不使用を貫き、奥多摩で採れた薬草を使用しています。食材へのこだわりも強く、薬効抜きにしてもおいしいカレーライス店です。

ランチ牛すじカレー

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1,250円(税込) 五穀米に変更+50円(税込)
ディナー時にはカレーとライスが別々に提供されるのですが、ランチタイムはワンプレートでちょっぴりリーズナブル。華やかな盛り付けが素敵です。

カレーはサラリとした舌触り。かすかな苦味と、じわーっとカラダの中から温まるような辛さで、「あ、効いてる効いてる」って思える味わいです。

さらに無料トッピングで、「ヤマイモ・黒ゴマ(疲労回復)」か「しょうが・紅花(風邪予防)」が選択可能なので忘れずに(写真はヤマイモ・黒ゴマトッピング)!
店舗情報

3. おいしい薬膳カレーと楽しい薬酒「薬膳ダイニング&バー 銀座しんのう」(銀座)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

「銀座へ飲みに行く」というイメージと「薬膳」って、なんとなく真逆のイメージがあるかもしれません。けれども銀座の路地裏にあるこのお店、おいしい薬酒と薬膳カレー、そして各国の薬膳料理がいただける素晴らしい「呑み処」なんです。

オーナーシェフの三上康介さんは、2009年「国際養生料理コンテスト」で最優秀料理人に選出され、日本人初の「世界美食薬膳名師」となった方。弟の隼平さんは薬膳コーディネーターとして薬酒を担当し、お客さんのコンディションにあわせた漢方やスパイスの調合を提案する、一風変わったバーテンダーとしてお店に立っています。

店名は医薬を司る古代中国の神様「神農」から。食材やスパイス、生薬の効能について詳しく書かれたメニューは、見ているだけで楽しいもの。「ちょっと体調整えるために、銀座で飲んでくるわ」なんて最高ではありませんか。
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