ライター : 松 宏彰(カレー細胞)

カレーキュレーター

昼はカレー、夜はスパイス呑み。ふたつの顔をもつ三軒茶屋のカレー店

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

スパイス酒の瓶が並ぶ「スパイスバル317」のカウンター
古きものと新しきものが共存する小さな繁華街、三軒茶屋。最近は新しいセンスに溢れた飲食店が増え、居酒屋を訪れる客層がとても若いのも特徴です。

渋谷からすぐという立地ながら和やかな地元感があり、女性グループでも安心してハシゴできる街のモラルが保たれているのが嬉しいところ。カレーやスパイス料理とお酒を合わせて楽しむ「スパイス呑み」文化が広がっているのも見逃せません。

今回は三軒茶屋駅周辺を中心として、三宿から松陰神社までのエリアを網羅。不動の人気を誇る老舗カレー店からスパイス呑みが楽しめる最新型のスパイスバルまで、選りすぐりの12店をご紹介します。

1. 三茶を代表する、南北インド料理の小さな名店「シバカリーワラ」

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

銀座の名店「グルガオン」で修業した山登伸介さんがインド人シェフとタッグを組み、2013年1月にオープンした「SHIVA CURRY WARA(シバカリーワラ)」。今や三茶を代表するインド料理の超人気店です。細い階段を上がった2階にある小さな店内はインド現地のワクワクする雰囲気が満載。

カレープレート(ターリー)に加え、楽しい一品料理やインドのお酒もラインアップ。コアなマニアから初心者まですべてのカレー好きが満足できる名店です。11席のみの小さなお店なのでディナータイムは予約推奨ですよ。

カレープレート カレー2種

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,450円(税込) バターチキン、オイスターマラバーリ +50円(税込)、チーズクルチャ&ミニライス +100円(税込)
ワンプレートで南北インドの味が楽しめるカレープレート。店主が日本を代表する南インドの名店「ダバインディア」系列の出身ということから、南インドの印象が強い同店ですが、実は北インド料理も秀逸。

特にバターチキンは東京一のうまさで、酸味と香ばしさのバランスが絶妙なんです(……インド料理上級者になればなるほど、日本におけるインド料理のテンプレであるバターチキンを軽視することが多いのですが、ぜひここの逸品を食べてみてください)。

一方のオイスターマラバーリは南インドスタイルの牡蠣カレー。サラリとしつつ旨味たっぷり。この南北コントラストが面白いのです。そして、絶対外して欲しくないのがチーズクルチャ。小ぶりのナンにチーズを詰め込んだものですが、これこそ「ダバインディア」系のシグニチャー。赤ワインと合わせれば抜群のおいしさを発揮しますよ。

ラムチャイ(hot)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

500円(税込)
インドのスパイスミルクティー「チャイ」を、ネパールのダークラム「ククリラム」で割ったひと品。スパイスに負けない香りをもったククリラムだけに、鼻腔をくすぐる湯気の香りは最高。寒い日には体の芯から温まりますよ。
店舗情報

2. 衝撃のニューカマー!スパイス尽くしのお好み焼き屋「キクヤ」

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

2020年1月、三茶にとてもおもしろいコンセプトのお店が誕生しました。何せ「自家製クラフトビールとお好み焼き&スパイス料理」がテーマというのですから、ほかに似たようなお店が思い浮かびません。

お好み焼きをはじめとした料理はすべて「和」の雰囲気でありながら、スパイスやインド料理のエッセンスを取り入れた絶妙な「ズラし」がとてもクリエイティブ。それらの料理に合うよう自家醸造したクラフトビールもたまりません。さらに締めには「本日のビリヤニ」。これは楽しすぎる。

ランチにも日替わりで南インドのミールス(定食)やティファン(インドの軽食)を出していて、今後目が離せない注目店です。

季節の前菜五種盛り

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,500円(税込)
はじめにオーダーしたいのは、和の食材にスパイスを用いた前菜の盛り合わせ。この日の内容は、枝豆のおひたし、新大根の浅漬け ~マスタードシード風味、フルーツ人参と和梨のココナッツの酢の物、牡蠣のオイル漬け、木の子のマリネ。

ビジュアルは完全に和の惣菜ですが、大根にマスタードシード、人参にココナッツ、牡蠣のオイル漬けにはパンチフォロン、キノコにはコリアンダーと適材適所でインド的スパイス使いが楽しめます。だいたいふたりでシェアする想定の量ですが、一人前(税込1,000円)でもオーダー可能です。
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