ライター : kyoko.nishiyama

料理家 / 料理ブロガー

ねぎの魅力

寒い季節に最適な食材

薬味、香味どちらでも使われるため、常備野菜といっても過言ではありません。

白い部分にはビタミンCが多く、緑の部分は緑黄色野菜に分類されるカロテンが豊富。

香り成分のアリシン(硫化アリル)には寒い季節にうれしいさまざまな効果があると言われ、特に冬の間は積極的に食べたい野菜のひとつです。

旬は11月から2月。春ねぎ、秋冬ねぎとありますが、秋冬ねぎは年間生産量の約7割を占めています。(※1)

古くから親しまれてきた薬用野菜

Photo by ちょりママ

中国では紀元前から栽培され、日本へは奈良時代に渡来されたといわれるねぎ。薬用として使われてきた歴史が長く、古くから親しまれてきた野菜です。

寒い季節は体調管理がむずかしいですが、風邪っぽいなと思ったときは、刻んだねぎたっぷりの味噌汁を。スプーンですくった掬い豆腐も合わせて、身体を温めながらて栄養も補給しましょう。

ねぎのいろいろ

それぞれの気候に合った地方特有の品種が人気

Photo by ちょりママ

ねぎは大きく分けると3つあり、「加賀系」「千住系」「九条系」。加賀系と千住系は根深ねぎの系統で白くのびた茎を食し、寒さに強い特性があります。関東では根深ねぎ(千住ねぎ)が主流。群馬県特産の「下仁田ねぎ(別名上州ねぎ、殿様ねぎ)」は甘みが強いことで有名です。

一方、九条系は京都生まれの葉ねぎで、食べられているのは主に葉。京都特産の「九条太ねぎ」は1本の茎から5~6本に枝分かれし、茎と葉の両方を食べます。関東では「青ねぎ」と表示されて売られていることも。

ほかにも、白い茎の部分がグラタンなどに使われる西洋種の「リーキ(ポロねぎ)」や、ねぎの近親種で薬味として使われる「あさつき(糸ねぎ)」などもあります。

「わけぎ」はねぎと玉ねぎの雑種でよく枝分かれすることから“分け葱”から名がつきました。また、小ねぎは葉ねぎを若採りしたもので、各地でブランドねぎが作られています。(※1)

ねぎの保存

Photo by ネギをラップで包んだもの

保存をするときは、新聞紙に包んで冷暗所へ。根つきのものは土の中に斜めに埋めて保存するという方法が知られていますが、これは寒冷地で昔からおこなわれているやり方です。

使いかけのものは根元を切り落とし、短く切ってラップに包んで冷蔵庫で保存を。使いかけの刻みねぎを冷凍保存しておくと、薬味が欲しいときにさっと使えておすすめです。冷凍保存は1ヶ月を目安に使い切りましょう。

ねぎの切り方

Photo by ちょりママ

ねぎの切り方は、主に4種類。

根元を切り落として薄く刻む「小口切り」。薬味や和え物、味噌汁など、もっとも使われる切り方です。

縦に4~5mm間隔で切り込みを入れて刻む「みじん切り」。たれや薬味などに使われます。

幅1.5cm程度を斜めに切る「斜め切り」。炒め物、鍋もの、冬時期の起用率は高めですね。

ごく細い千切りをして水にさらした「白髪ねぎ」。薬味、サラダなどに使われます。

切り方で料理のバリエ

Photo by ちょりママ

青い部分が多い「葉ねぎ」。ねぎ焼きでたっぷり食べるのが醍醐味です。粉、卵、めんつゆを合わせた簡単生地に葉ねぎの小口切りをたっぷり入れてさっと混ぜ、油で焼くだけ。

お好みでしょうゆやかつお節をかけて召し上がれ。

Photo by ちょりママ

根深ねぎの白い部分を白髪ねぎにし、ラー油を和えた「ピリ辛ねぎ」。麺類や焼き豚にトッピングすると、見栄えがワンランクアップします。

白身魚のホイル焼きも、ピリ辛ねぎで風味にパンチを加えると、味ばかりでなく、シャキシャキとした食感とねぎの香りで食欲アップ間違いなしです。

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