ライター : kyoko.nishiyama

料理家 / 料理ブロガー

秋の定番野菜『なす』の魅力と簡単レシピを紹介

Photo by ちょりママ

煮る、焼く、揚げる、漬けるなど調理のバリエーションが広く、一年を通して食卓に登場する機会が多い野菜「なす」。家庭の定番野菜といっても過言ではありません。

「なす」は「なすび」を略した呼び名。「夏に味がいい(夏味)」から転化した、たくさん実が「生り進む」言葉を略した、中が酸っぱい実という意味からつけられたなど、名前の由来にはさまざまな説があります。原産地はインド。奈良時代に中国から日本へ渡来したといわれる、古くから栽培されている野菜です。(※1)

本記事では、そんな「なす」の魅力に迫ります!簡単レシピは、なすを使った作り置きレシピをお届け。食卓でもお弁当でも大活躍必至です!

なすの特徴

なすは90%以上が水分の低カロリー野菜

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なすはナス科の一年草。日本では11~6月に出荷される冬春なす、7~10月に出荷される夏秋なすがあり、産地リレーによって一年を通して出回っています。

日ごろ手にする機会が多いのは、「千両なす」と呼ばれる12~15cmの中長なす。全国で栽培され、漬物から焼き、煮、揚げなど幅広い調理で使われています。

このほか、煮崩れしにくい丸なすやヘタが緑の米なす、漬物に使われる小なす、焼きなすが向く20~25cmの長なすや40~45cmにもなる大長なすなど、それぞれに特徴のあるさまざまななすがあります。

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なすの90%以上は水分。昔は農作業中になすでのどを潤していたといわれるほど水分が多い、低カロリーの淡色野菜です。

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普段は気にかけていないかもしれませんが、なすにどれほど水分が含まれているか見てみましょう。なすに塩をふってしばらくおき、

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ぎゅっと水気を絞ってみると……。

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なす一本からこんなに水分が出ました。90%以上が水分というのは事実と考えてよさそうですね。

なすの栄養

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なすの紫は「ナスニン」という色素成分で、赤ワインと同じアントシアニン系色素の一種です。水溶性の成分なので、調理の際は油でコーティングしてあげると損失が少なく、皮の美しい色味が際立ちます。揚げなすはその良さを生かした調理といえますね。

ビタミンCやB1、カリウムなど、ビタミンやミネラルが豊富。暑い季節におすすめの食材です。(※2 ※3)

4つの調理法で!手軽でおいしいなすの食べ方

なすは手をかけなくても食べられる野菜です。手軽な4つの調理法で、旬のおいしさを楽しみましょう。

1. なすぎらい解消のヒントも!「焼きなす」

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実は子どもが苦手な野菜の上位に入るなす。きらいな理由の中でも大きなものが、皮と果肉の食感の差(我が家の子どももそうでした)。好ききらいの克服を目指すなら、まずはその差をなくすことからはじめてみてはいかがでしょう。

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なすを皮ごと焼き、皮をむいて食べる焼きなす。スッと皮がむけるとうれしくなりますね。皮がむきやすいよう調理する方法は、以下のとおり。

1. ガクの部分をぐるりと一周切り込みを入れてガクをとり、皮の部分には包丁で縦に線を入れる
2. グリルで焼き、果肉がやわらかくなったら(圧して確認)、バットにとって軽く冷ます
3. 温かいうちに竹串を刺し、すっと横に移動させると、皮がきれいにむける

焼いたなすを水にさらすと果肉が水っぽくなってしまうので、温かいうちに竹串で引くように皮をむくのがおすすめです。

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とてもジューシーな焼きなす。これに大葉ポン酢をかけて出したら、渋味好みな我が家の娘が大絶賛!なすぎらいを克服できました。

皮と果肉の境目がない「焼きなす」でなすのおいしさを知ると、皮つきのなすも食べられるようになるから不思議です。

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油でにんにくをカリカリに炒め、ジューシーな焼きなすにジュッ!醤油をかけていただくのはおつまみにぴったりです。ヘルシーなのにパンチあり!

2. おいしさ際立つ!「なすのオイル漬け」

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なすは油と相性が良い食材。油と組み合わせると、なすのおいしさが一層引き立ちます。

そこでおすすめしたいのが、低温のオーブンでなすをじっくりローストし、オリーブ油やハーブと一緒に漬ける「オイル漬け」。

ハーブはローズマリー、バジル、オレガノ、タイムなどお好きなものを。複数を組み合わせるのもいいですよ。漬けるときに塩を加えるもよし、いただくときに塩をふるもよし、です。

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