ライター : ☆ゴン

恵方巻きの具材は7種類が基本?

節分にその年の恵方を向いて、巻き寿司を食べる習慣は大阪で生まれたとされます。江戸時代や明治、大正、昭和初期など、時期や起源には諸説あり、実際のところは定かではありません。

無病息災と商売繁盛を願って、大阪の人が節分に縁起物として食べていたことは事実。一部の地域や人たちの限られた行事でしたが、それが徐々に大阪全体に広がっていくのです。

恵方巻きの名の発祥と具材の種類

1989年に大手コンビニチェーン店が、「恵方巻き」の名で広島の店舗で販売したのがはじまりです。1990年代に西日本から全国へと展開するにつれ、同業他社やスーパーなども追随するように。当初はかんぴょうや厚焼き卵などが入った、ごく普通の太巻きでした。

各社で競うようになると、「七福神」にあやかって具材を7種類にしたり、海鮮を入れたりと年々豪華になっていきます。つまり恵方巻きの具材には、もとから決まりはないのです。そういう理由から具材は、好みのものを使用して問題ありません。

縁起物として人気の定番具材7種類

恵方巻きの具材にとくに決まりはありませんが、基本とされる定番具材があります。それは、うなぎ(あなご)、かんぴょう、しいたけ、きゅうり、えび、桜でんぶ、卵焼きの7種類。それぞれに縁起物としての意味がこめられていて、恵方巻きに入れることが多い人気の食材です。
具材意味
うなぎ(あなご)(1)うなぎのぼりの言葉から「上昇・出世」を連想
(2)長い形から「長寿」を願う
かんぴょう細長い形状から「長生き」を願う
しいたけ形が陣笠に似ていることから、「身を守る」という意味合い
きゅうり「九利」の漢字を当てて、「9つの利をもたらす」という語呂合わせ
えび(1)目玉が飛びでた容姿から「めでたし」という語呂合わせ
(2)ひげが長く腰が曲がっているので「長寿」の意味合い
桜でんぶ「めでたい」の語呂合わせで縁起物とされる、鯛が原料だから
卵焼き黄色を金に見立てて、「財の豊かさ」「金運上昇」を願う

もっと知りたい!恵方巻きの知識

恵方巻きを食べるようになった由来

節分に恵方巻きを食べる習慣は、大阪・船場が起源という説や、寿司・海苔組合による販売促進キャンペーンが由来という説。船場の旦那衆が花街の芸者に巻き寿司を振る舞ったという説など、さまざまな説がありますが、どれも通説の域を出ません。

いずれにしても商売繫盛と無病息災、家内安全を願って、大阪からはじまったとされる風習。いまや節分の日には、全国の人が恵方巻きを丸かぶりするくらい、ポピュラーな食べ物として有名です。

恵方巻きの正しい食べ方

恵方巻きの食べ方は、「一本丸かぶり」が基本です。それによって「商売繁盛や幸福を一気にいただく」、という縁起かつぎの意味合いが。途中で止まらず一気に丸ごと食べることで、余すことなく幸運を取り込めるとされているのです。

食べるときは、年ごとに決められた方角を向き、願いごとをしながら黙々といただきます。あくまでゲンかつぎであるため、もちろん無理は禁物です。お子さんやお年寄りには、必要に応じて切り分けてあげてください。

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