ライター : ☆ゴン

金針菜とは?

金針菜(きんしんさい)とは、ワスレグサ科ワスレグサ属に分類される、本萱草(ほんかんぞう)という花のつぼみ。従来はユリ科でしたが、いまはワスレグサ科に変更されたユリの一種で、鮮やかなオレンジ色の花が咲きます。

本萱草は原産国の中国で広く自生、または栽培されている植物。萱草とは中国語で「忘れ草」という意味で、その言葉は古くから日本の和歌に登場します。しかし本萱草は日本では自生せず、忘れ草と呼ばれるものは、ほとんどが野萱草(のかんぞう)のことだそうです。

金針菜ってどんな味?

本萱草の根である萱草根とつぼみの金針菜ともに、乾燥させて生薬として用いられる漢方食材です。漢方というと苦いイメージがありますが、生鮮や乾燥物の区別なく、どちらもクセがなくてほんのり甘味を感じるほど。シャキシャキした食感が持ち味で、食べやすいことで定評があります。

金針菜の使い方

生の金針菜は必ず加熱!

金針菜には生鮮と乾燥物の2種類があり、日本で流通するのは乾燥させたものがほとんど。しかし、最近は国内の一部で栽培されるようになり、少量ながら生の金針菜が出回ります。そんな生鮮品を調理するときは、必ず加熱して食べるようにしましょう。

金針菜にはコルヒチンという自然毒が含まれていて、生食すると腹痛や嘔吐、下痢などの胃腸障害を起こすおそれがあります。コルヒチンは加熱や加工処理で分解されるため、加工品や乾燥物は安全。生鮮品をサラダにするときは、必ずゆでて使うと安心です。(※1)

乾燥した金針菜の使い方

すでに紹介したように、日本で流通する金針菜はほとんどが乾燥物。乾燥させた金針菜は長期保存が効くため、あれば料理にいつでも使えるので便利です。乾燥金針菜にも種類があり、自然乾燥させたオレンジ色のものは国産や台湾製が大半。戻し方は、水かぬるま湯に30分ほど浸せば十分です。

茶色い乾燥金針菜はほとんどが中国製で、虫がつかないように硫黄で燻煙処理されたもの。こちらも水かぬるま湯で戻しますが、カビのようなにおいがあり、戻し汁が濁ってしまいます。そのため濁りがなくなるまで何度か水を替えて、長時間浸すほうが無難です。

戻し汁を利用する場合は、国産や台湾産など、オレンジ色の乾燥物を使うようにしましょう。金針菜の軸の部分は、水で戻しても少し硬いまま。気にならない人はそのまま食べても良いですし、気になる人は切り取って使ってください。

どんな料理に使える?

金針菜は薬膳料理はもちろんのこと、炒め物やおひたし、サラダに使えます。煮たり揚げたりするだけでなく、スープやみそ汁の具にもおすすめ。パスタの具材や、どんな種類の肉にも合います。和洋中のあらゆる調理法にマッチする便利な食材です。

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