ライター : chika

管理栄養士 / 公認スポーツ栄養士 / 調理師

この記事でわかること

卵の賞味期限は、生で食べられる期限を示すものであり、賞味期限切れの卵でも十分加熱すれば食べられます。ヒビが入ったり殻が割れたりした場合は、当日中に食べるか、1~2日以内を目安に加熱して食べるようにしましょう。卵が腐っているかどうかは、見た目やにおい、色で判断できます。

保存方法も重要で、冷蔵庫で保存し、パックのまま卵の尖ったほうを下にして保存するのがポイントです。また、卵は洗うと細菌の繁殖が促されるため、乾いた布で拭くようにしてください。

卵の賞味期限は「生で食べられる期限」

市販の食品には、袋や容器に「消費期限」か「賞味期限」のどちらかが表示されていますね。どちらも未開封で保存方法を守って保存していた場合を前提として設定されています。消費期限は「安全に食べられる期限」で、基本的に期限を過ぎたら食べないようにしましょう。賞味期限は「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」で、期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。

卵に表示されている賞味期限は安心して「生で食べられる期限」。気温が高く日持ちしにくい「夏場に生で食べる」ことを想定し、年間通じてパック後2週間(14日程度)が賞味期限として設定されています。

ヒビが入った卵の賞味期限は「当日中」

割れてしまっていたりヒビが入ってしまったりしている卵は、当日中に食べるようにしましょう。中身が空気に触れると、雑菌が繁殖しやすい状態になります。菌が内部に入っているおそれもあるので、賞味期限内であっても生で食べることは控え、しっかり加熱調理して食べてくださいね。

加熱して食べる場合は、ヒビが入ってから1~2日以内を目安にしましょう。ヒビがいつ入ったかわからない場合は、念のため食べないようにするのが安心ですよ。

賞味期限を過ぎた卵は加熱調理

卵の賞味期限は安心して生で食べられる期間です。10℃以下できちんと冷蔵保存されていれば、賞味期限切れの卵も十分加熱すれば一定期間食べることができます。あたたかい時期(4月~10月頃)なら1週間、寒い時期(11月頃~3月頃)なら10日前後を目安にしましょう。ただし、保存(常温保存)の状態によっては、腐敗状況を確認して廃棄したほうが安心です。

賞味期限切れの卵を食べる際は、必ず70℃で1分以上、ほかの食材と混じる場合は75℃で1分以上加熱しましょう。半熟のゆで卵、半熟のオムレツ、温泉卵などは火の通りがあまいので、避けるようにしてくださいね。

食べられない卵の見分け方

腐った卵を見分けるポイントは見た目、におい、色!

割ったときに、濃厚な白身が黄身を包み込み、全体の広がりが小さいものは新鮮な卵の証。白身が軟弱で液状であったり、黄身が平たく見えたりするものは鮮度の低下した卵です。黄身が崩れて流れ出てたり、白身と混ざっていたら腐っているおそれがあるので気をつけましょう。

卵が腐ると硫化⽔素が発⽣し、強烈な腐卵臭がします。特徴的な臭いを感じたら、食べるのは控え、すぐに破棄しましょう。

長期間高温で保管された卵は、卵黄・卵白ともに黒く変色することがあります。表面はきれいな卵でも、小さなヒビの隙間から菌が侵入し、殻の内側に黒っぽい斑点が発生することも。黒い斑点がゼラチン状の白身で囲まれ、塊になっている場合は、カビが生えた状態です。食用には不向きなので注意してくださいね。

卵の正しい保存方法

購入後の卵は冷蔵庫で正しく保存しましょう!

殻にはサルモネラ菌が付着している可能性がゼロではありません。ほかの食べ物に菌が移らないようにパックのまま保存してくださいね。

卵の鮮度を保つためには卵の向きもポイント。強度があり割れにくい卵の尖ったほうを下にしましょう。気室がある丸いほうを下にしてしまうと卵黄と空気が触れやすくなり、細菌が入り込むおそれもあります。

ドアポケットは、温度変化が大きかったり、振動が伝わりやすかったりと保存に適していません。庫内の奧に保存しましょう。

卵を洗うと、無数にある小さな穴から水が内部に入り、かえって細菌を繁殖させることがあります。汚れが気になる場合は、乾いた布で拭きるようにしてくださいね。

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