ライター : mau_naka

調理師 / 漢方コーディネーター / 発酵食品マイスター

言わずと知れた秋の高級食材「松茸」

日本のきのこの最高峰とも言える松茸。比較的日当たりのいい、主にアカマツの林に生えますが、針葉樹が多い林でも生える事があるようです。かつては日本全国でたくさんとることができ庶民にも親しまれていましたが、その数が激減した現在でも自然に生えているものを人の手で探し、収穫して出荷されているため、とっても高価なきのことなっています。

味や香り・食べ方は

「香り松茸、味しめじ」と言われるほど、松茸は香りがいいのが最大の特徴であり、味は控えめで香りが先に立ちます。でもこの香りは、海外ではあまり好まれないんだとか。 香りの良さを活かした食べ方が好まれ、シンプルな網焼きやホイル焼き、土瓶蒸しなどが代表的な料理として上がります。

旬・産地

秋の風物詩ともなっている松茸ですが、東北などの寒い地域では8月末頃からとれ始め、旬とも言える最盛期は9月から10月。九州など温暖な地域では11月中旬頃までとれるようです。 国内では長野県での収穫量が多く、その他にも東北地方の岩手県や山形県、近畿地方では京都府・兵庫県・和歌山県、中国地方の岡山県や広島県などが産地として有名です。しかしながら、国内で収穫されるものはごくわずか。近年流通している松茸のほとんどは中国産や韓国産のものであり、アメリカ・カナダ・トルコ・モロッコからも輸入されています。

なぜ高い?松茸の栽培・収穫

かつては日本全国の山間地で手入れの行き届いた里山が広がっていたり、アカマツも松の葉や枝を燃料や肥料として多く利用されていてたのでその数も多く、松茸が生育する環境が整っていました。現在では需要が少なくなったアカマツ自体の数も減少し、過疎化が進んだことによってかつての里山は自然の状態に戻り、松茸にとっては生育しにくい状態になっています。 その上、松茸は地表に顔を出して傘が開き切ってしまえば香りが落ちてしまうため、収穫する事自体がとてもむずかしいのです。地表からわずか1~2cmほど顔を出したところを見極め、根本から押し上げるようにして収穫する必要があるので、“シロ”と呼ばれる松茸が生える場所を知らずやみくもに探しても見つけられません。

松茸の人工栽培

椎茸やしめじなどとは違い、松茸の生態は解明がむずかしく人工栽培はまだ実用化に至っていません。きのこを栽培するためには、派生する木や土の状態、温度や湿度、日射時間や栄養などさまざまな条件を整える必要があるのですが、松茸については必要な環境についてまだまだ分からないことが多いのです。 加えて松茸の菌はとても弱く、他の菌や生物に負けてしまうので栄養が豊富な土地ではかえって栽培がむずかしいそうです。

松茸の値段

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