連載

【連載】和田明日香の「子供とゆるベジ! 」〜アスパラ泥棒、現る〜

食育インストラクター・和田明日香さんが、子供の好き嫌い解消のヒントを教えてくれるこの連載。料理の大先輩・平野レミさんを義母にもち、働く女性として、また3児の母として、自分らしい生き方を模索する毎日から見つけた、とっておきのアイデアをお届け。

2018年5月15日 更新

Profile

和田明日香さんのプロフィール写真

和田明日香/食育インストラクター、モデル

1987年4月17日生まれ。東京都出身。3児の母。7年前、キャベツとレタスの違いもわからないまま、料理愛好家・平野レミの次男と結婚。コツコツ修行を重ね、食育インストラクターの資格を取得。各メディアでのレシピ紹介、企業へのレシピ提供など、料理家として活動中のほか、情報番組のコメンテーターや、コラム執筆、CM出演など、幅広く活躍する。

愛、アスパラ

テーブルのアスパラガス

Photo by macaroni

はじめまして。和田明日香です。

突然ですが、いちばん好きな野菜は、アスパラです。

なぜ急に、野菜の話をしたかというと。このコラムが、嫌われ者の野菜たちを慰めよう!という思いで立ち上がったからです。

そして、記念すべき第一回目にmacaroni編集部から提案された野菜が、なんと、アスパラ!

わたしはこんなにもアスパラを愛しているというのに!まさか嫌われているなんて……!一旦距離を置いて、冷静に見つめ直してみるのもまた、愛。ということで、アスパラが嫌われてしまう理由を分析してみました。

嫌われるのは、皮の問題?

お盆に乗ったアスパラガス

Photo by macaroni

まず思いつくのは、あの、筋ばった硬い皮。うちの子供たちは、アスパラを嫌がりませんが、あの筋にだけは文句を言ってきます。「これ歯に詰まる〜!」とか、「噛みきれない!」とかとか……。

しっかり取り除いてあげればクリアな話なのですが、一体どこまでむいたらいいのか、わかり辛いんですよね。わたしはいつも、「むきすぎたら食べるところが減っちゃってもったいない!」と、ケチった結果、子供たちにブーブー言われてしまうわけです。

硬いところだけが一発でむける裏ワザはないのかと、一緒に仕事をしているフードコーディネーターさんたちにも聞いてみましたが、これといった方法は見つからず。

ひとつあるとしたら、「アスパラの両端を持って、しならせていくと、自然とポキッと折れる。折れたところが、硬い皮の境界線。根元側には硬い皮が残っているので、そちらは捨てて、穂先の方のみを食べる」という方法。でもこれ、実際やってみると、だいぶ上の方で折れてしまうんです。かなりもったいない気がするので、あんまりおすすめできません……。

どうやら、アスパラの「皮はどこまで」問題は、“慣れ”と“勘”という主婦の二大スキルを磨いていくことで解決させるしかなさそう……。

“新鮮”に勝る調味料はなし

さて、アスパラが嫌われてしまう理由として他に考えられるのは、あの、独特の香りでしょうか。甘いような、ほんのり苦いような、青臭いような。
畑のアスパラガス

Photo by 和田明日香

それで思い出すのが、壱岐という九州の離島で食べたアスパラの味。アスパラ農家さんを取材させていただいた時のことです。暖かいハウスの中で、地面からスルスルっと生えて列をなすアスパラたち。その姿はまるで水槽の底のチンアナゴ!(かわいかった……)。食べ頃の太さのアスパラをハサミで切り取り、その場ですぐ茹でて食べさせてもらうという、なんとも贅沢な経験をしました。

ほんの数センチ根元を切り落とし、ただ茹でる。例の、皮問題なんて、微塵も感じないどころか、むしろハリがある皮のおかげでパキッとした気持ちのいい噛みごたえ。ついさっきまで地面から栄養を吸い上げていただけあって、噛むたびじゅわっとジューシー!鼻に抜ける甘い香りがとにかくおいしくて、塩はもはや邪魔でした。ほーんと、“新鮮”に勝る調味料はないのかも。

その、とれたてのアスパラ。何本か新聞紙にくるんで東京の自宅に持って帰り、すぐに茹でました。すると、現れた!アスパラ泥棒!
テーブルに乗った和田さんのお子さん

Photo by 和田明日香

嗅覚のするどい末っ子が(なぜか裸で)アスパラに飛びついた!いつもはマヨネーズがないと食べたがらないくせに、味もつけずにそのまま夢中で食べ続けていました。

好き嫌い克服は、素材とのおいしい出会いから

アスパラ肉巻き

Photo by 和田明日香

子供の好き嫌いって、ほんとうにわかりません。ある日突然食べるようになったり、昨日まで好きだったのに今日はいらない!って言ったり。わたしは母親になってもうすぐ8年、3人の子供を育てていますが、それでもさっぱりわかりません。

ただ、気付いたのは、子供って、すっごくグルメだってこと。味付けのことではなく、素材本来の味や鮮度にとても敏感だなあと思うのです。それから、体が欲する、ということにとにかく正直で、食べたいと思えばとことん食べるし、必要ないと思えば何度でもべーっと出しちゃう。

親にとっては、「好き嫌い」と受け取ってしまう。でも、味に対して敏感なところや、体の正直な反応というのは、大事に育ててあげたい部分でもある。ああ矛盾……。

まあ、むずかしく考えたってくたびれるだけです。好きになるかならないかは、わたしにはコントロールできない。あきらめっ!そのかわり、できるだけおいしい出会いをさせてあげたいと、日々素材と向き合い、ごはんを作っています。

子供もそうだけど、まずは自分が楽しむこと

和田明日香さんと子供たち

Photo by 和田明日香

わたしが新鮮なアスパラをゲットできたのは、単純にラッキーでした。でも、求めていたからめぐってきた運なのかなとも思います。美味しいもの食べさせてあげたいな(ってゆうか自分も食べたいな)と、求めていれば、手に取るもの、手に入るものは自然と変わってくる気がします。

そして、そんな親の姿を、子供たちはちゃんと見ています。おいしいアスパラを茹でるぞ!と、鼻の穴をふくらませて帰ってきたわたしを見てるから、末っ子は夢中でかぶりついてくれたんだと思います。なんでもかんでも子供が全て最優先じゃなくていい、自分もしっかり楽しむ、おいしく食べる、そういう姿を見せるのも大人の役目。そう言い張って、子供とアスパラの取り合いっこをしてしまうわたしは、まだまだ、まだまだ未熟者です……。

おわりに

なんだか、アスパラの好き嫌い克服に対して、な〜んのアドバイスも残せないままコラムが終わろうとしています……反省!こんな調子ですが、これからも愛をもって野菜と向き合い、ああでもないこうでもないと考えていきたいと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました!

来月取り上げる野菜は「トマト」。次回をお楽しみに!

文・構成/和田明日香、編集/山川俊行(macaroni編集部)

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