ライター : ☆ゴン

三宝柑とはどんな果物?

たまに、スーパーで見かけることがある三宝柑(さんぽうかん)。外見からみかんの仲間だとわかりますが、実際に食べたたことがある、という人は少ないのではないでしょうか。

三宝柑はミカン科の果物で、自然交配によって生まれたため親の品種は不明。江戸時代に和歌山城、または紀州藩士の邸宅に原木があったとする説が一般的です。珍しさとおいしさから、三方にのせて殿様に献上されたのだとか。そこから三宝柑という名がついたとされます。

見た目がデコポンそっくりなため、並べるとどちらが三宝柑なのかわからないくらいです。皮と中の果肉は鮮やかな黄色で、苦味が少なく、さわやかな香りと甘味で人気があります。

デコポンとはどう違う?

デコポンの名は登録商標で、正式な品種名は不知火(しらぬい)です。三宝柑とともにどちらも、軸側がこぶのように膨らんだ形ながら、デコポンの皮はオレンジ色が強いのが特徴。しかし黄色いデコポンもあるため、外見から見分けるのは、むずかしいかもしれません。

そんなふたつの果物の違いは、半分に切ると一目瞭然。三宝柑は皮が厚く、果肉は黄色がかっていて、中心近くに種があります。一方のデコポンは、清美とポンカンを交配させて作ったため、皮が薄く果肉はオレンジ色、種がないのが魅力です。

デコポンは、不知火のなかで糖度13度以上、クエン酸1.0以下のもの、さらにJAの加盟農家だけに許される商品名。酸味と甘味のバランスのよさは言うまでもありません。一方の三宝柑は自然交配種ながら、さわやかな香りと甘味、上品な味わいが評判です。

三宝柑の旬とおいしい果実の見分け方

三宝柑の旬

三宝柑は和歌山県の特産フルーツ。紀南から紀中にかけてが一大生産地として知られ、全国生産高の9割以上が、この地域で栽培されるのです。三宝柑の収穫時期は1月~5月で、2月中旬から4月にかけてが出荷の最盛期。3~4月の春の訪れとともに、食べごろの旬を迎えます。

おいしい三宝柑の見分け方

三宝柑を選ぶときのポイントは、皮のツヤと張り、そして手で重みを感じること。皮にツヤと張りがあり、葉付きのものは、葉が軸にしっかりついているものが新鮮といえます。また持ったときに実が詰まっていて、ずっしり重みのあるものを選んでください。

皮の表面がやわらかくなっていたり、ついている葉が枝からすぐに取れたりするものは、鮮度が落ちている証拠。手で持ったときに軽く感じるものは、果肉の水分が抜けてしまっている可能性があるので、注意が必要です。

三宝柑の食べ方

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