ライター : ☆ゴン

パイタンスープとはどんなスープ?

ラーメンや鍋のスープでおなじみの「パイタンスープ」。なんとなく好きで食べているけど、材料はどんなもので、どうやって作るのかはよく知らない。という人が多いのではないでしょうか。

パイタンスープを漢字で書くと「白湯」。日本語では「さゆ」と読みますが、料理の世界では白く濁ったスープのことです。おもに鶏ガラを材料にして、くさみ消し用のしょうがや長ねぎの青い部分とともに、煮込んでだしを取ったものを指します。

パイタンスープはなぜあんなに白い?

スープが白く濁るのは、鶏ガラの骨髄が煮汁に溶けだすためです。材料をすべてを大鍋に入れて火にかけ、沸騰したら弱火で何時間も煮込むことで、徐々に白濁していきます。しっかりと白濁したパイタンスープにするには、大量の鶏ガラを2~3時間は煮込まなくてはいけません。

このようにパイタンスープを作るには、手間と時間がかかります。しかしその甲斐あって、できあがったスープのコクと旨味は絶品ですよ。

「パイタン」の意味

「パイタン」とは、「白湯」の中国語読みです。湯(タン)には、お湯とスープのふたつの意味があります。そのため中国では、白湯にあえてスープをつけません。意味が重複するからです。韓国語で「チゲ」は鍋料理を意味するので、韓国ではチゲ鍋と言わないのと同じ。日本人にもイメージしやすいよう、あえてスープや鍋の文字をつけているのでしょう。

ちなみにパイタンとは対照的な、澄んだスープのことを一般的に清湯(チンタン)と呼びます。

鶏パイタン以外のパイタンもあるの?

鶏ガラで作るパイタン以外に、本場中国では魚介や豚骨、牛骨などでだしを取るパイタンもあります。しかし日本では、圧倒的に鶏パイタンが主流です。その理由は、材料調達の手軽さと価格。鶏ガラは魚介や豚骨、牛骨などと比べて安価で、大量に調達できるからです。

また鶏パイタンは、魚介や豚骨などで作るパイタンよりもクセが少なく、日本人の味覚に合うという理由もあります。スーパーで並んでいる市販のパイタンスープは、大半が鶏ガラを材料にした製品が多いようです。

基本の鶏パイタンスープの作り方

鶏パイタンスープの材料である鶏ガラは、丸鶏を扱う鶏肉専門店で購入できます。ただし生の鶏ガラは、必ず熱湯で一度ゆでてアク抜きし、きれいに水洗いすること。お店によっては、下処理した業務用冷凍鶏ガラや、ティーバッグ状のものがあるので、それを使うと便利です。

家庭用の鍋では水1Lに対して、鶏ガラ500gが適量。すべてを鍋に入れたら、必ず水位を覚えておいてください。沸騰したら弱火にして煮込みます。1.5Lの水を用意し、アクを取りながら、水位が下がったらその都度水を追加。これを3~4回繰り返し、水を使いきったら完了です。

煮込む時間は2~3時間ほどで、お好みで長ねぎの青い部分や、しょうがなどの香味野菜を加えてもOK。クッキングシートでこして、塩こしょうで味を調えたらできあがりです。これで専門店のように本格的な、ラーメンや鍋のスープが作れます。

鶏パイタンスープのレシピ5選

1. 鶏肉としょうがのサムゲタン風パイタンスープ

鶏もも肉を使って手軽に作れる、サムゲタン風のパイタンスープ。米のとぎ汁で煮込むため、圧力鍋を使えばたったの5分、普通の鍋でもわずか30分でとろりとした白濁スープに仕上がります。

鶏もも肉がやわらく、コクと旨味も十分なひと品。ごま油と塩こしょうのシンプルな味付けで、白髪ねぎをトッピングすればできあがりです。

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