ライター : kii

調理師 / 製菓衛生師 / 食育インストラクター / フードコーディネーター

白味噌について勉強しよう!

和食に欠かせない調味料「味噌」。たくさんの種類の味噌があることを知っていますか?南北に長い日本列島は、その場所によって気候が大きく異なります。気候が異なれば、食材も異なる。食材も異なれば、作られる味噌も異なる。味噌の作り方や味わいが、各地で違うことも納得できますね。 今回はそのなかでも「白味噌」について、詳しくみていきます。白味噌の味わいや使い方をマスター!おいしい白味噌レシピの紹介もありますよ。 では、まずは白味噌と赤味噌の違いの謎を解明しましょう!

白味噌って?赤味噌と何が違うの?

味噌は、味噌の原料、味、色によって分類されます。⾊の分類では、⾚味噌、淡⾊味噌、⽩味噌の3つに分けられます。つまり、白味噌、赤味噌というのは、味噌の色に違いによる呼び名なのですね。 では、白味噌と赤味噌の違いについて、見ていきましょう。それぞれの味噌の特徴を知れば、⾃分の好みのお味噌でおいしいお料理を作ることができますね。

白味噌

主に近畿各府県と岡⼭県、広島県、⼭⼝県、⾹川県で使われています。色は、クリーム色や淡黄色で薄め。塩分濃度が低く、甘味が強いことが特徴。酢味噌和え、田楽、お雑煮といった、甘みを生かしたお料理や素材の色を生かしたいお料理に使われます。 お料理の隠し味としても活躍します。お味噌の旨味成分「グルタミン酸」や、お味噌の芳醇な香り、白味噌のコクのある甘さをプラスすることができます。塩分濃度と色が薄いため、全体の味や見た目に影響も出にくいです。 西京味噌の名で有名な「関西味噌」、香川県の「讃岐⽩味噌」、広島県の「府中味噌」などが、代表的な白味噌です。

赤味噌

日本各地で幅広く使われています。色は赤褐色、茶色みがかった赤という感じで、濃いめ。塩分濃度が高めで、長期保存に適した赤味噌もあります。辛口ですっきりとした味わいで、熟成が進んでいるため濃厚な旨味と、ほのかな苦みもあります。 濃いめの味とコクを生かして名古屋名物「味噌カツ」、麻婆豆腐、土手煮、赤だし、味噌煮込みうどんなどに使われます。懐石料理に欠かせないお味噌でもあります。 赤味噌は主張が強いので、濃厚なお料理の隠し味として活躍します。デミグラスソースや、赤ワインを使った煮込み料理やソースに加えるとよいでしょう。さらにコクと旨味がアップされ、奥深い味わいになりますよ。 八丁味噌の名で有名な「東海豆味噌」、東京の「江⼾⽢味噌」などが、代表的な赤味噌です。

味噌の色は作り方で変わる!

メイラード反応が、白味噌のカギ!

味噌は、大豆を蒸し煮したものに、麹と食塩を混ぜ合わせ、発酵・熟成して作られます。この大豆の処理方法、麹の種類、発酵・熟成の方法によって、味噌の色に違いがでるのです。 そして、味噌の色を決めるカギとなるのが「メイラード反応」です。メイラード反応とは、アミノ酸が糖と反応して褐⾊に変化すること。身近なところでは、お肉やパンを焼いたときに、おいしそうなこんがりとした色になりますよね。これがメイラード反応です。旨味、風味、香ばしさなどがアップして、お料理をおいしくしてくれる魔法の反応ですね。 このメイラード反応が進めば進むほど、食材は褐色になります。つまり味噌においてメイラード反応が進めば、味噌の色はより濃く赤褐色になっていき、赤味噌になるのです。白味噌は、このメイラード反応をできる限り抑えて作られるのですね。

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