臭いの克服法も伝授!パクチーの味の例えが「カメムシ」な科学的な理由

パクチーの味の例えで持ち出されるのか「カメムシ」や「洗剤」。食べ物なのに食べ物以外の比喩が使われるのには、それらに含まれるある成分に由来していました。今回は、パクチーの味の実食レポや臭いを軽減する食べ方などをまとめてご紹介します!

パクチーの味を例えると「洗剤」「カメムシ」!?

パクチーの味の例えで持ち出されるのが、”カメムシの匂い”や”ほのかな石鹸や洗剤の香り”など、まるで食べ物に与えられる比喩とは思えない表現の数々。

身近な食材でいうと、セロリの葉の部分やセリにも通ずるところがあり、いずれにしても風味にクセのある食材に近いといえます。パクチーが苦手な人のなかには、クセが強い葉物野菜が嫌いな人も多いようです。

今回は、「怖くて食べられない…でも味が気になる!」「どんな味だったか忘れた。でも食べる勇気はない!」といったみなさんに向けて、“パクチーの味”をとことん深掘りした、“におい”のある記事をお届けしましょう!これさえ読めば食べなくても味がわかっちゃう!?

やっぱり強烈!生パクチーの味を実食レポ

パクチーの原産地はインドやタイなどの東南アジアで、現地の料理でよく使われる食材のひとつ。英語では「コリアンダー」、中国では「香菜(シェンツァイ)」などと呼ばれ、国や料理ごとに呼び方が異なります。

タイでは、昔から知られているハーブで、スープや炒めものの香り付けとして使用されています。日本のように生でパクチーを食べたり、サラダのようなメインの具材として食べることはなく、風味を楽しむものなんだとか。風味だけで楽しむ食材"パクチー"の味とはいったいどんなものなんでしょうか。

【見た目】クローバー風のかわいらしささえ漂う

パクチーの見た目は鮮やかな緑色で、イタリアンパセリに似ています。太い茎に細い茎が生えていてそこから葉が何枚も成っていています。葉っぱ自体は小ぶりで薄めです。

【風味】徐々に忍び寄るあの匂い

パクチーを手でちぎっただけで、部屋中がパクチーのフレッシュな匂いでいっぱいになりました。鼻に近づけなくても「まちがいなくパクチーだ!」とわかります。雨が上がったあと、道端に生えた草からモワッと立ち上るような、水気の混じった青い匂い。ちぎった手にもパクチーの匂いが残り、改めてパクチーの強烈さが感じられました。

【味】解き放たれる強烈な存在感!

口に運ぶ前からパクチー臭が漂いますが、いざ実食!

口に入れた瞬間はそれほど味が感じられませんが、あとからじわじわと風味が広がり、噛みしめるたびに口の中が苦味と青い香りで満ちていきます!ピーマンやゴーヤのような鮮やかな苦味ではなく、ひっそりと鼻へ抜けていくほろ苦い味わい。ほのかな甘みも感じられます。

葉はとてもうすく、口に入れると舌にぴったりとはり付きます。三つ葉よりも柔らかいふんにゃりとした食感。舌に残るような固い繊維感もなく、噛みしめるとシャクシャクとかすかな音がきこえます。
パクチーを飲み込んだあとも、口の中にパクチーの風味がモワッと残ります。強烈な存在感!パクチー好きは、生パクチーが山盛りのったサラダをよろこんでモリモリ頬張りますが、この味が苦手な人だったら、生で食べるのはハードルが高いかもしれませんね。

本当だった!臭い成分はカメムシと同じ

実食でも激しく痛感したカメムシ臭ですが、パクチー特有のあの香りには科学的な裏付けがあるようです。

カメムシの臭い成分には、「デセナール」「ヘキセナール」などのアルデヒド類で構成されていることが研究で示されています。そしてなんとパクチーの臭気成分にも「デセナール」「ヘキセナール」の匂い成分が含まれているというのです!つまりパクチーの匂いが、カメムシの匂いと似ているというのは、研究で証明されているということになりますね。

匂いが似ているということから、タイの隣接国”ラオス”では、カメムシと香辛料を一緒に潰し「チェオ」という調味料が作られていて、実際に使われています。

また、カメムシを香辛料として生食や串焼き、炒めものなどとして食べられているんだとか……。日本人の感覚としては信じがたいですが、カメムシと匂い成分が同じとされているという「パクチー」を好きな方は、挑戦してみては?

「あの臭い無理…」は遺伝子レベルで拒否!?

アメリカの遺伝子解析サービス「23andMe」で、あの風味をどう受け取るかについては、匂いに関する遺伝子に原因があると判明したんだそう。

パクチーの風味を構成している「アルデヒド」という匂いの成分に、人間が持っている嗅覚受容体遺伝子「OR6A2」が反応します。パクチーが苦手な人は、この「OR6A2」遺伝子に変異がある人で、アルデヒドに対する反応が通常の人よりも過敏に反応してしまうんだとか。

この「アルデヒド」は石鹸や香水、制汗剤にも含まれる成分であることから「OR6A2」遺伝子に変異がある人は「パクチー=食べられないもの」と脳が認識してしまうそうです。冒頭でも触れたように「洗剤の香り」と感じるのも納得ですよね。
さらにアルデヒドは、バニラやシナモンにも含まれています。そのためパクチーが好きでない人は、シナモンやバニラが苦手な人も多いのではないでしょうか。

いわばパクチーが苦手な宿命なんて、味や匂いの好き嫌いなどではなく、遺伝子レベルの先天的なものであるということに驚きですね。

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