ライター : 前田未希

料理家 / フードコーディネーター

「ゼラチン✕片栗粉」で本格的な食感に

蒸し暑くなってくると、冷たいおつまみがほしくなりますね。冷奴や卵豆腐もいいけれど、それがゆったり晩酌をしたい日なら胡麻豆腐はいかがでしょう? 滑らかでありながらねっとりとした重厚感。口に入れた途端に胡麻の香りが広がり、忙しい日常を忘れるような優雅さのある味わいです。 懐石や小料理屋さんのつきだしで見かけることの多い胡麻豆腐は、和食の基本料理の1つ。ご家庭でイチから作ることも不可能ではありませんが、胡麻をペースト状にするのは相当な手間です。今回は、思い立ったときに気軽に作りやすいように、練りごまを用い、葛粉を使わないレシピにしました。 片栗粉を入れることで、調理時間も短くなります。胡麻豆腐好きにこそ試してほしい、代用レシピです。

葛粉いらずで『胡麻豆腐』の作り方

分量(4人分)

A 豆乳 300cc A 練りごま 100〜120g A 片栗粉 大さじ1 A ゼラチン 5g 醤油・麺つゆ等 お好みで わさび お好みで

作り方

①胡麻豆腐を流し入れる容器に、霧吹きで水をかけておく。
霧吹きがない場合は、キッチンペーパーを濡らしたものや濡れ布巾で全体を湿らせて下さい。予め濡らしておくことで、型にくっつかずに綺麗に取り出すことができます。 また、濡らしすぎて水が粒になっていたり、底に溜まるほど入れると、水が残ってできあがりが汚くなるのでご注意を。
②鍋にAを入れ、火にかけない状態で泡立て器などでよく混ぜ合わせる。
ゼラチンが残らないよう、素早くよくかき混ぜましょう。火にかける前にゼラチンと片栗粉を溶かし混ぜることで、ダマがない仕上がりになります。
③材料が混ざりあったら、弱めの中火にかけながら木べらなどで全体を混ぜる
火の通りに偏りがないように、絶えず混ぜるのがなめらかな仕上がりのポイント。
④ふつふつと沸いてきたら、沸騰する前に火を弱める。
ゼラチンは沸騰させると凝固力が弱くなります。沸騰させないように注意しましょう。
⑤全体にとろみがかるまで、木べらでしっかり底から全体を混ぜる。
写真のように底を木べらでなぞって、鍋底が一瞬見えるようになったら加熱終了。加熱の目安は、カスタードクリームよりもゆるく、全体にもったりとした感じが出たらOKです。
⑥とろみがついたら火からおろし、バットに流し入れる。
⑦温かいうちに、スパチュラや木べらで表面を撫ぜてなだらかにする。
⑧粗熱を取り、ラップを被せて冷蔵庫で冷ます。
⑨冷え固まったら、包丁で食べやすい大きさに切り、型から取り出す。
包丁を軽く濡らしてから切ると、包丁にくっつかずに綺麗に切り分けられます。また、型から外す時は、型を傾けて軽く振動を与えると綺麗に取り出せます。

器によそい、醤油やめんつゆを垂らして完成!

お好みの調味料で召し上がれ。ねっとり濃厚でクリーミーな口当たりに、口いっぱいに広がる胡麻の香りを堪能してくださいね。 お箸でも匙でも食べることができる、ちょうどいい固さです。とろりと柔らかいのが好きな方は、片栗粉の分量を減らして、型から取り出さずにすくって食べてもOK。その際は、型の底に予め醤油やめんつゆを注いでプリンのカラメルのようにすると、より食べやすいですよ。 冷奴と同じく、わさびや辛子などの薬味を乗せるとまた美味。砂糖を少量溶かして甘じょっぱくしても、胡麻の風味と相性がいいです。 めんつゆでいただく時は、写真のように軽くとろみをつけると見栄えよく仕上がります。昔ながらの和食の味わいなので、お酒は日本酒でゆっくりと楽しみたいところ。栗焼酎や芋焼酎など、ほのかに甘みのあるものを選ぶのもおすすめです。

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