ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

そうめんとひやむぎの違い、言える?

夏の食卓には欠かせない、「そうめん」と「ひやむぎ」。ネギやみょうがなど、さまざまな薬味との相性もバッチリで、ちょい足しアレンジもしやすく、夏はもちろんのこと季節を問わず食べられている方も多いのではないでしょうか?我が家では夏はもちろん、秋冬でも煮麺としてたびたび食卓に並びます。 ところでみなさんは、この2つの違ってご存じですか?素材や形、調理方法や食べ方などなど、一見同じようで全く違うそうめんとひやむぎについて調べてみました!

そうめんとひやむぎの違いは、これ!

太さの違い

「そうめん」と「ひやむぎ」の違いで、まず直感的に感じられるのは太さではないでしょうか。 農林水産省が定めるJAS規格によると、「手延べ」と「それ以外(機械製法など)」によって区分けされています。 まず、機械製法やオートマチック製法と呼ばれる規格では、下記のように定められています。 ・長径が1.3ミリ未満のものは「そうめん」 ・1.3ミリ以上、1.7ミリ未満のものは「ひやむぎ」 とは言え、1ミリ以下の違いですし、素人ではなかなか区別ができないかもしれませんね。 一方、職人さんのワザが光る手延べ製法に区分される規格は、以下となります。 ・長径が1.7ミリ未満のものは、「手延べそうめん」または「手延べひやむぎ」 手作業に1ミリ以下の求めるのは厳しいからか、機械製法と比べると大らかな規格になっていることが分かります。また、手延べ製法の場合は「手延べ」の文字をつけるルールもあるそうです。

製法の違い(伸ばすか切るか)

次は、その製法の違いを見ていきましょう。 そうめんは小麦粉と塩と水を混ぜたものを練り上げ、細く伸ばして仕上げ天日干しにして作るものだそうです。また、細く伸ばす過程では麺が乾燥しないように油やでんぷんを塗っていたこともあるのだとか。一方、ひやむぎは、小麦粉と塩と水を混ぜたものを練り上げるまでは同じです。そうめんの様に伸ばすのではなく、細く切って麺状に成形するものだそうです。 現在では、そうめんもひやむぎも製麺機を使って作られることが多く、単純な製法だけで区別されているわけではないようです。

カロリーの違い(100gあたり)

最後に気になるカロリーの違いを見ていきましょう。どちらも喉越しが良くツルツル〜っと、ついつい食べすぎてしまいますよね……。こちらも機械製法と手延べ製法で若干の違いがあるようなので比較してみました! 機械製法の場合(100gあたり) ・そうめん 約370kcal ・ひやむぎ 約340kcal 手延べ製法の場合(100gあたり) ・そうめん 約335kcal ・ひやむぎ 約330kcal どちらも「手延べ製法」が低カロリーという結果になりましたね。これは、技術の進歩によって油や脂肪分を抑えても細く仕上げることが可能になったことや、コシを出すために低カロリーの塩分が使われていることが理由だそうです。
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ひやむぎは、そもそもうどんだった!?

先ほど「そうめん」も「ひやむぎ」も小麦粉と塩と水が原材料だと述べましたが、同じ原材料で作られる麺類がまだありますよね? そう、みなさんご存じの「うどん」です! 「ひやむぎ」はもともと「うどんの一種」と分類されていました。一般的には「うどんの細いもの」として認識されていたようです。うどんを細く切って作ることから「切り麦(きりむぎ)」と呼ばれるようになりました。 そして、切り麦を温めて食べるものを「熱麦(あつむぎ)」と呼び、冷やして食べるものが「冷麦(ひやむぎ)」と呼ばれるようになったと言われています。
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