発祥・歴史

戸隠そばのルーツは平安時代にまでさかのぼるといわれています。その時代から山岳信仰が盛んだった戸隠では、そば粉を水で溶いたものが修験者の携帯食として重宝されていました。

江戸時代に入り「そば切り」の技術が伝わると、麺状に加工して修験者に振る舞われるように。それが戸隠そばの由来とされていますよ。

現在も戸隠周辺にはそばを提供する宿やお店が多く、「戸隠そば祭り」などそばをテーマにした催し物が盛んで、そば文化が地域に根付いていることがわかります。

【島根】出雲(いずも)そばの特徴

特徴・味わい・食べ方

出雲そばは、島根県出雲地方で広く食べることのできる郷土料理。冷たい割子(わりご)そば」と温かい「釜揚げそば」がありますよ。

そばの実を殻がついたまま挽く「挽きぐるみ」という製法で作られていて、一般的なそばよりも色が黒いのが特徴です。神社の多い出雲では、神事のたびに出雲そばが振る舞われるそう。

割子そばの特徴

「割子そば」は丸くて赤い色をした容器が2~3段重ねになっているのが特徴です。まずは一番上の段にめんつゆや薬味をかけて食べはじめ、終わったら1段目の残りのつゆを2段目にかけて食べます。

このように、最初にかけためんつゆを2段目、3段目と次々に移して食べ進めるのが特徴的。3段目まで食べ進めたら、最後に残ったつゆにそば湯を入れて飲むのが定番です。

釜揚げそばの特徴

「釜揚げそば」は器にゆであがったそばとそば湯が入れられて提供されます。薬味とめんつゆを入れて、自分好みの濃さに調整しながら食べていきますよ。

あらかじめそば湯が入れられているため、そばの風味をしっかりと感じられるのが特徴。旧暦の10月におこなわれる「神等去出祭(からさでさい)」で食べるそばは、伝統的には釜揚げそばとされています。

発祥・歴史

出雲そばが誕生したのは江戸時代初期の頃とされています。松江藩の松平直政が信州から松江に来た際にそば職人を連れてきたことで、そば切りが出雲地方に伝わったそう。

それが独自の進化を遂げ、出雲そばのスタイルができあがったとされています。割子そばは7代目松江藩当主が、武士の弁当箱にそばを入れたことがはじまりとされていて、釜揚げそばは出雲大社の参拝で振る舞われたことがルーツとされていますよ。
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