ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

世界にある個性的な包み焼き料理

みなさんは、「包み焼料理」と聞くと、どのようなものを思い浮かべますか。 インドの「サモサ」やイタリアの「カルツォーネ」など、各国で独自に生まれた具材を包んで焼く包み焼き料理が世界にはいろいろとあります。 日本では、日本料理の「魚のホイル焼き(和紙包み焼き)」が思い浮かびますよね。今回は、世界に数多くある「包み焼き料理」の1つである「エンパナーダ」をご紹介します!エンパナーダとはいったいどんなものなのでしょうか。基本の作り方からアレンジレシピまでも一気にお伝えしたいと思います。

エンパナーダとは

エンパナーダとは、具入りのパンやペイストリーのことで、パンで覆う、包む、という意味のスペイン語とポルトガル語の「empanar」が名前の由来となっています。 パイ生地のようなパンの中に、ひき肉やシーフード、野菜やチーズなどが入った、ミートパイ風のお惣菜パンです。中南米諸国では一般的な家庭料理ですが、各国や地域によって名称や形、大きさ、具材、調理方法が異なります。

スペインのエンパナーダ

スペインでは一般的な家庭料理として親しまれています。大きめのパイ皿やタルト型で作り、揚げずにオーブンで焼きます。生地は薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖、牛乳、卵などを混ぜてこねた、シンプルなパン生地が一般的なのだとか。 具材はいろいろですが、ツナ、イワシのオイル漬け、チョリソー、ひき肉を玉ねぎやパプリカと炒めたものを、トマトピューレやニンニクと玉ねぎのソースで味付けします。お店で食べる場合、値段は店によって多少異なりますが、1個当たり日本円で200円前後が一般的なようです。

アルゼンチンのエンパナーダ

アルゼンチンでは、パーティの前菜やコース料理、祝祭などで提供されます。小麦粉、ラード、卵、塩などを混ぜたパン生地をオーブンで焼いたものが一般的で、直径15センチ程の餃子のような半月型をしています。 アルゼンチンは世界有数の牛肉消費国で、人口の2倍近くの牛が放牧されています。そのためエンパナーダの具材も主に牛肉を使用しており、クミンやパプリカなどで香味付け、臭み消しをしてオーブンで焼くのが一般的。田舎の祝祭では揚げるところもあるそうです。こちらはスペインのエンパナーダよりも少し高く、日本円で1個300円前後が相場なようです。

エンパナーダ基本のレシピ

それでは、まずは基本のエンパナーダの作り方をおさえておきましょう。

エンパナーダ生地の材料

・ 強力粉  ・ 塩 ・ 無塩マーガリン ・ 水(ぬるま湯)

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