炭水化物の不足・過剰摂取で起こる問題

人間の活動に欠かせない炭水化物。重要な栄養素だからこそ、不足したり過剰摂取したりすると、身体にさまざまな影響が出てしまいます。

不足した場合

炭水化物が不足すると、エネルギー生成に支障をきたすおそれが。身体が必要とするエネルギーが足りなくなると、疲労感をおぼえることがあります。

また、エネルギー不足は脳のはたらきにも影響を与えます。集中力が低下し、「仕事がはかどらない」「能率があがらない」といった状態に陥ってしまいます。(※9)

過剰摂取した場合

エネルギーとして消費しきれなかった糖質は、中性脂肪として体内に蓄積されます。中性脂肪が増えることで、肥満や生活習慣病の原因になるおそれがあります。(※9)

糖質制限ダイエットは安全なの?

もともと糖質制限とは、血糖値をコントロールするための食事方法。糖質の摂取量を減らし、食後血糖値の上昇を抑えることが目的です。ダイエットのために用いられることもあります。

厳しい糖質制限を自己流でおこなうと、糖質が不足して健康を損なうおそれがあるため、注意が必要。毎食主食を食べないといったような、極端な食事はおすすめできません。(※10)

すべての糖が血糖値を上げるわけではない

血糖値を上げる一番の原因は食事です。糖質を多く含む食品を摂取すると血糖値が上がりますが、食物繊維の含有量により糖質の吸収スピードは異なります。パンの場合、ライ麦パンより白いパンのほうが食物繊維の含有量が少なく、血糖値が上がりやすいです。

また、なかには血糖値を上げない糖も存在します。糖アルコールの一種であるエリスリトールは糖質の代謝に影響を与えないため、血糖値を上げません。安全性が高いことから、砂糖の代用品として使用されます。

なお、糖質の摂り過ぎだけが血糖値が上がる原因ではありません。糖の吸収にかかわるホルモンである「インスリン」の作用や感受性が低下すると、血糖値の上昇につながります。この要因はストレスや運動不足、遺伝などです。(※11,12,13)

違いを理解して効率的にダイエット♪

炭水化物はエネルギーとなる栄養素のひとつ。多すぎても少なすぎても身体によくないため、適量を摂ることが大切です。また、炭水化物制限や糖質制限はダイエット方法として人気がありますが、極端な食事にならないよう気を付けましょう。

ダイエットをはじめる前に、炭水化物と糖質の違いをしっかりと把握しておくのがおすすめです。炭水化物には、健康維持に必要な食物繊維も含まれています。同じ主食でも、白ごはんより玄米ごはんといったように、食物繊維が豊富なものを選びましょう。

糖質や食物繊維の作用を理解し、正しく安全なダイエットを心がけてくださいね。
【参考文献】
※8 新ビジュアル食品成分表 新訂第二版|大修館書店
(2020/06/17参照)
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