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冬野菜の代表とも言うべき白菜は、鍋料理には欠かせないお野菜ですよね。鍋料理だけでなく、炒め物やお漬物にも大活躍の白菜に黒い点が浮いているのに気付いたことがありますか?これってカビ?食べても大丈夫?白菜の黒い点の正体を調べてみました。

なにこれ?白菜の黒い点

ずいぶんと寒くなってきましたね。これからの時期は鍋物がおいしい季節です。水炊きはもちろん、キムチ鍋、ミルフィーユ鍋はすっかり定着。昨冬爆発的にヒットしたアジアン鍋は、この冬ますますヒートアップする様相を呈しています。色々な鍋がありますが、ご家庭での鍋物に欠かせないあの野菜と言ったら……そう!”白菜”です。冬に旬を迎え、ますます甘くおいしくなる白菜は、鍋には欠かせないお野菜ですね。
今夜は鍋にしようと、いそいそと白菜を切ってみたら、なにこれ?白菜に黒い点々が!思わず「カビ?」とぎょっとした経験はありませんか?真っ白な白菜一面に黒い点々が出ているのは、気持ちのいいものではありません。あまりに気持ちが悪いので捨ててしまった、なんていうひともいらっしゃるようです。

黒い点の正体はポリフェノール!

この気味の悪い黒い点の正体は、“ポリフェノール”なのです。「え?”ポリフェノール”って、あの、体にいいといわれるポリフェノール?」……そうです。白菜に浮き出た黒い点の正体は、病気でもカビでも、もちろん虫でもなく、実は、健康にいいといわれているポリフェノールなのです。
ポリフェノールとは植物特有の成分で、苦味や渋み、色素のもととなるものです。植物が光合成をするときに作り出される成分でもあります。緑茶に含まれるタンニンやブルーベリーに含まれるアントシアニンなどは有名なポリフェノールです。ポリフェノールの効果は、血圧降下や殺菌作用、そして、よく言われているのが、”抗酸化作用”です。
もともと人間の体内には、活性酸素が存在し、外から入ってきた細菌やウイルスを退ける働きをしています。しかし、この活性酸素はストレスや紫外線、喫煙などが原因となって、必要以上に増えると、体内のたんぱく質やDNAなどを傷つけ、老化や生活習慣病を引き起こす可能性があると言われています。この活性酸素を除去する作用を抗酸化作用と言い、ポリフェノールはアンチエイジング効果や様々な病気に対する抵抗力が期待される成分なのです。

黒い点はなぜできるの?

白菜の黒い点を正式には“ゴマ症”といいます。白い葉や茎にゴマのように黒い斑点が散っていることから付けられた名称で、”症”とはいうものの、病気ではありません。ゴマ症のゴマ部分は、ポリフェノールの塊で、食べても問題ありません。しかし、なぜこのような現象が起こるのか?その原因を探ってみました。
白菜のゴマ症は、環境によるストレスによってわりとよく発生します。大きく育った白菜ほどゴマ症が発生しやすい、とも言われています。ゴマ症の原因は、白菜の生理現象によって起こるため、”生理障害”と言われています。生理障害とは、虫類、カビや細菌などによる被害ではなく、栄養失調あるいは過多、低温度・高温度による障害のことです。

白菜のゴマ症のほか、さくらんぼの収穫前の降雨による実割れなども生理障害として農業関係者のなかでは、よく知られている現象です。
原因はさまざまあると言われていますが、主に栽培されているときの環境や、収穫後の保存環境によってゴマ症は発生すると言われています。栽培や保存環境が原因によるストレスから、白菜にポリフェノールが溜まり、白菜表面に黒いゴマとして現れたものがゴマ症なのです。

どこの部位でも食べていいの?

白菜のゴマ症は、“食べても問題がない”という意見がその多くを占めます。むしろ、ポリフェノールを積極的に摂取する、という意味では食べた方がいい、という意見すらあります。ゴマ症は、外側よりも内側の葉に多く見られます。しかも、葉軸と言われる白い部分を中心に散っているため、いざ食べようとめくったときにどうしても目に入ります。白菜の内側にいけばいくほど、黒い斑点が多くなるので、食べることを躊躇してしまいがちなのです。
実は、ゴマ症を発症している葉の成分を調べると窒素量が多く、ホウ素と鉄が少ないことがわかっています。窒素量が多いため、硝酸態窒素を過剰に摂取するのではないか、という声も聞かれます。硝酸態窒素は、大量に摂取すると血中のヘモグロビンと結びついて、肝障害や生殖機能の障害といった健康被害を招くと言われていますが、現在でもはっきりとした結論は出ておらず、研究者のなかでも意見が分かれています。
不明な点はいまだ存在しますが、白菜に含まれる硝酸態窒素は調理の工程で茹でてしまえば、害を及ぼすことはないことはわかっています。ただし、硝酸態窒素は水溶性のため、茹でた汁は捨ててしまうことが大切です。ゴマ症の白菜は、そのまま食べても人体に問題はないと言われていますが、どうしても気になる場合は、茹でて食べるようにすれば安心です。ゴマ症は白菜の内側に発症するケースが多いものですが、どの部位に出ていても食べることに問題はありません。

味は変わらない?

先ほど触れたように、ゴマ症を発症している白菜は、ホウ素や鉄が少なく、窒素が多いということがわかっています。ミネラルバランスが崩れていると言ってもいいでしょう。そのため、ゴマ症を発症していない白菜と比べると、栄養については、多少の変化が現れます。しかし、その栄養価も気になるほどではないため、それほど神経質になる必要はないでしょう。
一般に、ゴマ症の白菜のほうが、そうでないものと比較すると味が落ちると言われています。また、一方で、ゴマ症の白菜のほうが甘くておいしい、という意見もあるようです。葉の成分調査の結果を見ると、ホウ素と鉄のほかに、糖分も少ないということがわかっています。成分の調査結果から考えると、ゴマ症の白菜のほうが甘くておいしいとは考え難いのです。
ゴマ症の白菜のほうが甘くておいしい、という意見は寒締め白菜と勘違いして発言したものが一人歩きしている、という説もあります。ここはひとつ、自分で食べて判断するのが一番かもしれません。とはいえ、ゴマ症の白菜は水分を多く含んでいるものが多く、日持ちがしません。おいしく頂くためには、早めに食べてしまうことをおすすめします。

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