ライター : ☆ゴン

昆布締めとは?

昆布締めとは、魚の刺身を昆布で包む調理法のことです。もとは富山県の郷土料理で、江戸時代に生まれたとされます。富山湾で獲れる新鮮な魚を日持ちさせるために、北前船に積んでいた北海道の昆布を利用したのがはじまり。

2枚の昆布で刺身をはさむことで、余分な水分が昆布に吸収され、逆に昆布の旨味が刺身に移るのが一番の利点です。いまでは関西を中心に、全国で広く親しまれています。

昆布締めに使う昆布の種類

昆布は数種類の海藻を指す総称で、全国シェアの9割以上を占める、北海道が一大漁獲地として知られています。明治時代、北海道開拓団に参加した富山県民の大半が、羅臼町に住んでいたため、昔から富山で使われる昆布は羅臼産がほとんど。いまでも羅臼昆布を使います。

かといって、昆布締めには羅臼昆布でなければいけない、という決まりはありません。利尻産や日高昆布でもOK。ただし、乾燥して波打っていることがあります。必ず酒や水などで湿らせて、やわらかく平らにしてから、刺身に密着するように包むのがおいしく作るコツです。

基本はこれ。「鯛の昆布締め」の作り方

Photo by macaroni

どんな魚でも昆布締めできますが、脂が少なく淡白な味わいの白身魚には、もっとも適した調理法です。スーパーでよく販売している、鯛の刺身を昆布締めにしてみましょう。昆布の旨味が身に移って、安価な養殖鯛でもおいしく味わえます。

昆布締めに合う魚は?おすすめレシピ7選

1. ねっとりしてほどよい歯ごたえ。ひらめの昆布締め

白身の高級魚であるひらめは、身質が硬いのが特徴で、そのため薄造りにします。そんなひらめを昆布締めするレシピ。刺身ではなく柵ごと昆布締めするので、薄造りしてもしっかりした食感が残ります。それでいてねっとりした歯ごたえで、風味と旨味が引き立つひと品です。

2. 脂と昆布の風味がよく合う。ハマチの昆布締め

ハマチとは本来、ぶりの幼魚の名前でいまは養殖ぶり全般を指す言葉。寿司ネタとして人気のある赤身の青魚です。昆布締めは白身魚だけでなく、赤身魚にもよく合う調理法。ハマチの脂と昆布の風味が相まって、よりおいしくなります。

3. 青魚独特のくさみがなくおいしい。ぶりの昆布締め

天然ぶりは1年のうちで、冬がもっとも脂がのっておいしい季節。とくに厳寒期に日本海側で獲れる寒ぶりが、最高級魚として珍重されます。そんなぶりは、足が早く傷みやすい青魚。刺身で食べきれなかったら、昆布締めにしてください。また違うおいしさを楽しめること間違いなしです。

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