ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

ピリッと辛い調味料「コーレーグース」

「コーレーグース(コーレーグス)」とは、沖縄県産の唐辛子を沖縄を代表するお酒のひとつ「泡盛」に漬け込んだ、ピリッと辛い調味料です。

沖縄県以外であまり見かけることはありませんが、沖縄では、どこのレストランや家庭にも必ずと言っていいほどの、とてもポピュラーな調味料です。そば屋さんの七味唐辛子や、鰻屋さんの山椒といった感覚で、欠かせないものなんですよ。

コーレーグースの発祥

コーレーグースとは、本来唐辛子全般を指す沖縄県の方言ですが、今では島唐辛子を漬け込んだ調味料のことを指します。なぜコーレーグースと呼ばれるようになったかについては諸説ありますが、朝鮮半島から伝わってきたのではないかというのが有力。

朝鮮半島で薬として使用されており、それが日本に入ってきた際に「高麗の薬」と呼ばれ、今のコーレーグースになったと言われています。

「コーレーグース」?それとも「コーレーグス」?

インターネットで「コーレーグース」と検索すると、サイトによって「コーレーグース」、「コーレーグス」、場合によってはひらがなで「こーれーぐーす」などさまざまな表記で出てきます。

これについて細かい決まりはなく、販売元による違いだけで原材料や製造方法での違いはないのだそう。これは筆者の個人的な感想ですが、ひらがなで「こーれーぐーす」と書くのが一番沖縄っぽさが感じられますね。

中毒性に注意!?

そんなコーレーグースですが、唐辛子の主成分であるカプサイシンが多く含まれています。これには注意が必要で、なんと中毒性があるのだとか。

七味やタバスコも同じで、使い続けているうちにどんどんかける量が増えてしまうのだそう。神経質になる必要はありませんが、あまり多量に摂取し続けると胃が荒れる可能性があるので注意してくださいね。(※1)

コーレーグースは酔っぱらう?

唐辛子と泡盛を原料として作られるコーレーグースですが、やはり飲むと酔っぱらってしまうのでしょうか。一般的な泡盛のアルコール度数は30度前後ですので、もちろんコーレーグースをそのまま飲み物のように飲んだ場合は酔っぱらってしまいます。

ただ、唐辛子の辛さがあるため、コーレーグースを飲む人はなかなかいませんよね。では、調味料として使用した場合はどうなのでしょうか。

一般的に、酒気帯び運転でひっかかってしまうのは呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上の場合。コーレーグースではどれくらい摂取すると酒気帯びになるか、個人差がありますがだいたいペットボトルのキャップにして5杯分程度(37.5ml)で酒気帯びになることが多いようです。(※2)

お酒が飲めない人や妊娠中の人は、摂取しないほうが無難ですね。

コーレーグースの原材料「島唐辛子」

そもそもコーレーグースの原材料となっている「島唐辛子」は普通の唐辛子とは違うのものなのでしょうか。島唐辛子とは、トウガラシ属の「キダチトウガラシ」という品種に分類されます。また、コーレーグースやピザやパスタに使うタバスコソースの「タバスコ」も、「キダチトウガラシ」に属します。

対して、日本で一般的な唐辛子としてよく見かける「鷹の爪」は、トウガラシ属のなかの「トウガラシ」という品種に分類されるため、異なる品種となります。

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