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滋賀県の伝統料理「鮒寿司(ふなずし)」とは?
「鮒寿司(ふなずし)」とは、塩漬けの魚を米に漬け込んで自然発酵させる「なれずし」の一種です。魚を長期保存するための加工方法であり、滋賀県の伝統料理として広く親しまれてきました。手間と時間をかけて作られる鮒寿司は、正月やお祝いの席などハレの日に食べる風習があります。
原材料と製法
鮒寿司の原材料は、琵琶湖でとれる子持ちのニゴロブナです。春先に漁獲したニゴロブナを塩漬けにし、夏の土用の時期に水で洗って塩抜きしてから、ごはんと交互に重ねて漬け込みます。発酵が進むにつれて、乳酸の効果でニゴロブナの骨まで軟らかくなり、正月を迎える頃には食べごろとなります。
名前の由来
フナが原材料のなれずしを鮒寿司と呼びます。鮒寿司は古くから食用とされるだけでなく、神社の祭礼で神撰として献上されてきました。1998年には滋賀県の無形民俗文化財に登録。しかし近年、ニコロブナの漁獲量が減少し、家庭で作る機会は減っているようです。その一方で滋賀県の特産品としての人気も高く、さまざまな業者で製造販売されています。
鮒寿司の特徴は独特のにおいと味
鮒寿司は生臭くなく、チーズのように芳醇な香りがします。これは、発酵の過程でフナのたんぱく質が分解され、旨み成分であるアミノ酸に変わることによって生じるにおいです。また、鮒寿司には発酵食品ならではのまろやかな酸味があり、フナの脂の旨みも感じられるでしょう。
鮒寿司には独特のにおいと味があるため、好みがわかれやすいですが、その奥深い風味がくせになるともいわれています。
鮒寿司には独特のにおいと味があるため、好みがわかれやすいですが、その奥深い風味がくせになるともいわれています。
初めての方におすすめ。鮒寿司の定番の食べ方
切ってそのまま
鮒寿司は、切ってそのまま食べられます。鮒寿司のまわりに付いているごはんを取り除き、薄く切り分けてください。食感を楽しむなら、3~5mmほどの厚さがおすすめです。そのまま食べることで、鮒寿司独特のにおいと旨みをじっくり味わえます。自宅で鮒寿司を食べる際には、冷凍庫で冷やしておくと薄切りしやすくなりますよ。
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