ライター : panimomo

都内在住グルメライター

鮒寿司(ふなずし)とは?

滋賀県の郷土料理、鮒寿司を知っていますか。鮒を使って作られる熟れ鮨(なれずし)です。発酵させて作るため、独特のにおいがたまらなく好き!という人と苦手な人に分かれるお料理です。この記事では、鮒寿司の特徴や、おいしく食べる方法、おいしい鮒寿司を食べられるお店をご紹介します!

くさうまい「鮒寿司」

鮒寿司とは琵琶湖で獲れる仁五郎鮒(ニゴロブナ)という鮒を塩と米で乳酸発酵させた熟れ鮨(なれずし)の一種です。乳酸発酵したタンパク質のにおいが独特で、好き嫌いは分かれやすい料理。滋賀県の郷土料理として奈良時代の初期頃から伝えられ、今では滋賀県の名物として親しまれています。

鱒寿司はとにかく、くさいことで知られています。しかし、このくささはおいしさの代償でもあるのです。

どのぐらいくさいのか?

くさいといえど、一体どのくらいのにおいなのでしょうか?食べ物のにおいの数値を表すアラバスター単位(Au)で比べてみると

1. シュールストレミング……8070(世界一臭いと言われているスウェーデンのニシンの缶詰)
2. ホンオフェ……6230(韓国の魚の発酵食品)
3. エピキュアチーズ ……1870(ニュージーランドのチーズ)
4. キビヤック……1370(カナディアンイヌイットの食べ物)
5. 焼きたてのくさや……1267
6. 鮒寿司……486
7. 納豆……452

となっており、世界第6位の臭さとなっています。作り手によってにおいにばらつきはありますが、納豆とあまり変わらない数値が出ています。百聞は一見に如かず!ぜひ一度食べてみてくださいね。(※1)

どうやって作られているのか

鮒寿司の作り方をご説明します。

下準備として、3、4月頃から3ヵ月ほど、子持ちのニゴロブナを大量の塩で塩漬けします。

7月末頃に漬け込みを開始します。塩漬けしたニゴロブナを水で洗い、水気を切ります。そして、米を敷いた桶に口から米を詰めておいたニゴロブナを並べていきます。重ならないように並べたら、また米を敷いてニゴロブナを並べます。これを繰り返し行い、蓋をします。

翌年の2月から3月には食べ始めることができます。そのまま長くおけばおくほどよく熟し、味が良くなると言われています。これが作り方の一例ですが、鱒寿司は地域によっても作り方がさまざまです。そのため、地域ごとの鱒寿司を食べ比べてみるのも良いでしょう。

鮒寿司の食べ方

そのまま

まずはそのまま薄くスライスして、お召し上がりください。生姜醤油につけて食べるのもおすすめ。寿司飯の上にのせて鮒寿司の握り寿司にしてもいいですね。寿司のうえに寿司という、鮒寿司ならではの食べ方です。

酒の肴として

焼酎や日本酒はもちろん、ワインにも合う鮒寿司。チーズのようにクラッカーにのせてもおいしくいただけますよ。

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