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家族を支える食事のヒント「アミノ酸スコア」
家族の食生活を支える母親に知ってほしい、日々の食事で考えること。今回は、「アミノ酸スコア」について。
たんぱく質(プロテイン)は、“第一の”を意味するギリシャ語を語源とし、そのくらい人間の身体を構成するうえで欠かせないものであることを意味しています。
車を「鉄の塊が走っている」と表現するならば、人間は「たんぱく質の塊が走っている」と例えられるほど、私たちの主原料はたんぱく質なのです。
筋肉や内臓、血液、各種ホルモンはもちろん、肌や爪、髪もすべてたんぱく質が主要な構成材料。
さらに、骨といえばカルシウムばかりを連想するかと思いますが、じつは骨全体もコラーゲン(たんぱく質の一種)の網目にカルシウムが沈着するという構造になっているのです。
このようにたんぱく質は、大人はもちろん、特に子どもの成長には欠かせない重要な栄養素です。
1日どのくらいの量が必要?
具体的に1日どのくらいのたんぱく質を摂ればよいのか? という質問を受けることがよくあります。そこで、わかりやすい目安をお伝えしておきましょう。それには、
体重1kgあたり、約1g
が目安になります。つまり、体重が10㎏ならば約10g、体重が25㎏ならば約25gのたんぱく質が必要だということです。食事に置き換えて考えると、
赤身のマグロ(1食70gあたり)……18.5g
鶏ムネ肉皮なし(1食100gあたり)……22.3g
納豆(1パック50gあたり)……8.3g
卵(1食50gあたり)……6.2g
となります。ここで大切なことは、たんぱく質を含む量が多いものを選んでそればかりを食べ続けるのではなく、朝は納豆、昼は肉、夜は魚といったようにまんべんなくいろいろなたんぱく源を摂ることが大切です。
なぜなら、たとえば動物性たんぱく質の場合、脂質が過剰に含まれていることもあり、摂りすぎると動脈硬化や心臓病の原因になることも。
一方、植物性たんぱく質の代表である大豆製品にはコレステロールを低下させる働きやイソフラボンによるさまざまな健康効果を期待できますので、バランスの良い食事を心がけることが家族の健康につながることをお忘れなく!
たんぱく質ならどれでもいいわけではない!?
一言にたんぱく質といっても、種類によって体内での利用度に大きな差があることをご存知でしょうか?
人間の細胞は20種類のアミノ酸(たんぱく質の素)で構成されています。このうち、体内で作り出せないアミノ酸が9種類あり、これらを“必須アミノ酸”といいます。この必須アミノ酸が食品中にどれだけ満足に含まれているかをスコア化したものを「アミノ酸スコア」とよんでいます。
聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか? 家族の健康を守るお母さんにとっては絶対に知っておいて欲しいものです。
このアミノ酸スコアは、100に近ければ近いほど良質なたんぱく質と言われています。たんぱく質の中でもより良質なタンパク質を摂取するためには、このアミノ酸スコアをぜひ参考にしてください。
アミノ酸スコアが低い食品は食べても意味がない!?
当然ながら、アミノ酸スコアが高い食品もあれば、低い食品もあります。アミノ酸スコアが低い食品を食べても意味がないのでは?と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
実は日本人の主食である精白米のアミノ酸スコアは61です。でも、アミノ酸スコアが100である大豆製品と精白米を一緒に食べると、精白米に不足している「リジン」というアミノ酸が大豆製品に多く含まれているため、アミノ酸スコアが100になるのです!
要は組み合わせなのです。
子どものおやつにもたんぱく源を!
良質なたんぱく質を摂ることで、しっかりとした筋肉がついていきます。
この筋肉は、身体を動かしたり、力を発揮したりするのに欠かせないものですが、大人にとっては(特に女性にとっては)、重力に逆らって身体の各部を持ち上げ、身体のラインを形作るという重要な働きももっています。
たとえば、鎖骨の下にある筋肉が減るとバストラインがどんどん下がり、ウエストのすぐ下の筋肉が減ればヒップが垂れ下がり、身体の前面を走る腹筋が弱ればポッコリお腹になってしまいます。
これらの筋肉を守るためには、3度の食事でバランスよくたんぱく質を摂ることが大前提ですが、子どものおやつを甘いものではなく、たんぱく源となるヨーグルトやナッツ類などを日替わりで摂ることをおすすめします。
お子さんの成長にも良いですし、お母さんの体型維持にも効果的です!毎日のことですから、少しずつ工夫されてみてくださいね。
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