ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

監修者 : 竹内 弘久

杏林大学医学部付属病院 外科医

氷を食べたくなると危険?「氷食症」とは

氷食症とは、氷や凍らせたものを食べずにはいられない……という症状を指します。髪や金属など、食べ物でないものを食べるという「異食症」のひとつです。

氷食症の定義ははっきりとしていないものの、毎日のように大量の氷を食べるという状況が2か月以上続くという特徴があります。氷をガリガリと食べることによって歯がかけたり、お腹の調子が悪くなったりするおそれも。氷食症はとくに思春期の女性や妊婦、授乳婦に多く見られる症状です。(※1,2)

あなたは大丈夫? 氷食症チェック

チェックリスト

  1. 一日に大量(製氷皿ひと皿以上)の氷を食べる
  2. 2か月間にわたり、毎日大量の氷を食べ続けている
  3. 暑さを感じていなくても、氷を食べたくなる
  4. 冷たい氷を食べ続け、下痢になっている
  5. 硬い氷を噛み続け、歯に痛みを感じている
竹内先生:
「氷食症は2ヶ月間にわたり、少なくとも製氷皿1つ分以上の氷を毎日摂取していれば氷食症と判断できます。

さらに、硬い氷を多量にたべることから歯が折れるなど歯の損傷を起こしていたり、顎の関節に異常を起こしていることがあります。口の中が熱いと訴えるケースもありますよ」

氷食症の原因

原因

  1. 鉄欠乏性貧血
  2. 強い精神的ストレス

鉄欠乏性貧血

なぜ氷食症になるのかはハッキリと解明されていませんが、原因のひとつが鉄欠乏性貧血(鉄不足による貧血)です。鉄不足により自律神経が乱れると、体温調節機能が異常をきたす場合があります。その際に「口の中が熱い」と感じて、氷を食べたくなることがあると考えられています。

また、舌にある味を感じる器官の「味蕾(みらい)」が変化して、氷食症が引き起こされるという説もあります。(※1,2)

強い精神的ストレス

鉄欠乏性貧血が原因でない場合は、心理的なストレスによって氷食症が引き起こされているおそれが。ストレスを感じると、何度も同じ行動を繰り返さずにはいられないという「強迫性障害」の発症により、氷を食べ続けることがあります。

また、氷食症に加えて、拒食・過食といった行動が同時に見られる場合もあるようです。(※1,3)

氷食症を放っておくとどうなる?

氷食症による体への影響

  1. 貧血が悪化する
  2. 歯が欠ける
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