ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

大根の葉は「毒性に注意」「危険」って本当?

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大根の葉はビタミンCやカルシウムなどといった栄養が豊富。食べ方に悩むかもしれませんが、炒め物やみそ汁の具にするとおいしく食べられます。

大根の葉に毒性はないもののシュウ酸や残留農薬のリスクがあるため、安心して食べるために調理方法を工夫することをおすすめします。

それでは、大根の葉に注意すべき理由や対策を詳しく見ていきましょう。

大根の葉の「シュウ酸」に注意が必要

ほうれん草やブロッコリーなどより少ないものの、大根の葉には「シュウ酸」が含まれています。シュウ酸はアクの成分で、尿路結石のリスクを高めると言われています。

また、シュウ酸は鉄やカルシウムの吸収を妨げるというデメリットも。栄養をしっかり摂りたい方は注意が必要です。(※1,2)

大根の葉の「残留農薬」に注意が必要

葉は農薬が残りやすい

大根を育てる際は、害虫やウイルスの対策として農薬を使うのが一般的です。しかし、大根の葉は農薬がつきやすい形で、根の部分より農薬が残りやすいと言われています。

市販の野菜から、健康への影響があるほど農薬が残っているものが見つかるケースは稀ですが、自家栽培した大根の葉を食べる際は注意してくださいね。農薬の使い方を確認し、散布から収穫までの日数を守りましょう。(※3,4)

大根の間引き菜・つまみ菜には使えない農薬がある

「間引き菜」「つまみ菜」とは大根を成長させるために摘み取った若苗のことで、おひたしや汁物にして食べられます。

農薬のなかには、間引き菜やつまみ菜に対して安全性が確認されていないものがあるため注意が必要です。自家栽培したつまみ菜や間引き菜を食べる場合は、あらかじめ農薬のラベルを確認しておきましょう。(※5)

大根の葉を調理するときの注意点・ポイント

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しっかり洗う

大根の葉を調理するときは、まずしっかりと水洗いするのがポイントです。土や汚れのほか、水に溶けやすい性質のある農薬を落とすことができます。

なお、市販野菜に残っている農薬は健康に影響を及ぼす量ではないため、過剰に洗う必要はありません。(※6)

生食NG!ゆでてアク抜きする

前述したように、大根の葉にはアクの成分であるシュウ酸が含まれています。えぐみを感じる場合があるので、生食には適していません。

シュウ酸は水に溶ける性質があるので、ゆでることで除去できます。大根の葉を食べる際はゆでてアク抜きするとシュウ酸のリスクを減らせて、おいしくいただけますよ。(※1,2)

カルシウムやクエン酸を含む食材と組み合わせる

シュウ酸のリスクが気になる方は、「カルシウム」が豊富な小魚や乳製品と大根の葉を組み合わせて食べるのがおすすめです。シュウ酸がカルシウムと腸内で結合して便として排出されるため、シュウ酸の吸収を抑えられます。

また、柑橘類に豊富な「クエン酸」も結石の対策に役立ちますよ。(※1,7)

大根の葉のシュウ酸は炒めるだけでも減る?

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シュウ酸の量を減らすには、ゆでる方法がもっとも適しています。それは、シュウ酸が水に溶けるという性質を利用するためです。炒めるだけでは大根の葉が水に触れないため、シュウ酸の量は減りません。

大根の葉を炒め物にする場合も、下ゆでしてアク抜きしてから使うことをおすすめします。(※1)

大根の葉のリスクに注意して食べよう!

大根の葉にはシュウ酸が含まれており、結石ができやすい方は注意が必要です。大根の葉は生食せず、ゆでてシュウ酸を取り除いてから食べましょう。

また、大根の葉は農薬がつきやすい形状をしています。自家栽培した大根の葉を食べる際は、残留農薬に注意してくださいね。
【参考文献】
(2024/12/24参照)
大根の葉の食べ方は下記をチェック▼
大根の葉の保存方法はこちら▼

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