時候の挨拶・挨拶文の基本的なマナー

時候の挨拶と聞くと、「なんだかむずかしそう……」「国語や文章作成が苦手な自分にもできるだろうか?」と不安に感じる人もいるかもしれませんね。しかし時候の挨拶は、少しのルールやマナーさえ守れていれば誰にでも簡単に作成できます。時候の挨拶を書く際の基本テクニックを学び、ぜひ挑戦してみましょう。

4つの項目を使った基本構成を守ろう

手紙やメールを含む文書は、おもに4つの項目によって構成されています。それぞれの項目の意味や意図を知ることで、スムーズな文書作成につながります。

・前文……文書の最初に記載する内容。本題に入る前の導入文であり、「拝啓」や「謹啓」などを用いる。時候の挨拶も前文に含まれる。
・主文……文書の本題となる部分。おもに時候の挨拶が終わった後、「さて」のような切り出し方で記載される。
・末文……本題が終わった後、文章全体を締める部分。「敬具」や「謹言」などを用いる。
・後付……手紙の情報を記載する。おもに日付・差出人・宛名など。ビジネスシーンでは、会社名も記載する。

上記の基本ルールにさえ倣っておけば、時候の挨拶は自由な内容で作成できます。ビジネスシーンだけではなく家族や友人の間でも使える構成のため、ぜひ覚えておきましょう。

漢語調と口語調を使い分けよう

時候の挨拶は、TPOに応じてニュアンスを使い分ける必要があります。ニュアンスはおもに「漢語調」と「口語調」の2つに大別されます。

漢語調は、かしこまった手紙やメールを作成する際に用いられるニュアンスです。ビジネス文書や目上の人への時候の挨拶では、おもに漢語調が採用されます。漢語調は相手に格式高い印象を与え、短く簡潔ながら品格を感じさせるのが特徴です。

対して口語調は、カジュアルなシーンや親しい間柄同士で用いられるニュアンスです。漢語調よりも現代的かつ、より話し言葉に近い表現が採用されます。相手に親近感を与え、フレンドリーな印象を与えるのが特徴です。

ビジネス書面で口語調を使うと、やや馴れ馴れしく砕けすぎた印象に。友達相手に漢語調を使うと、必要以上に緊張感や固さのある印象を与えてしまいます。どちらもシーンを弁えたうえで、適切に使用することが大切です。

手紙・メール共通!12月の時候の挨拶のポイント

時候の挨拶は、作成する時期や相手に届くタイミングによって表現方法が異なります。1年のなかでも12月は、寒さが厳しい時期であるとともに、忙しさや慌ただしさを彷彿とさせるシーズンです。12月の時候の挨拶ならではのポイントをつかみ、より良質なコミュニケーションにつなげていきましょう。

1年間お世話になった感謝や、翌年への想いを伝える

12月の時候の挨拶では、1年間お世話になった感謝や、翌年への想いを伝えることをおすすめします。12月といえば、その年の締めくくりの時期ですよね。共通の思い出を分かち合うとともに、感謝や抱負を伝えましょう。

とくにビジネス文書において、12月や1月の時候の挨拶は大きなアピールポイント。真摯な気持ちを込めた時候の挨拶は、「来年も相手とより良い関係を築いていきたい」というメッセージにもなります。熱が入りすぎて主文の邪魔をしないように、適度に調整することも大切です。

忙しい時期や冷え込む季節を加味して、相手を気遣う言葉を入れる

12月は11月と比べ、いよいよ冬らしくなり寒さを感じやすくなる時期です。人によっては、心身のバランスを崩しやすいタイミングでもあるでしょう。12月の時候の挨拶を作成する際は、相手の健康や、ライフスタイルを気遣う言葉を入れることが推奨されます。

作成の際は「寒さが厳しくなって参りましたが、お身体は崩されていませんか」や「何かと忙しい時期ですが、お身体はお変わりありませんか」など、相手に寄り添ったやさしい文面が好まれます。その年の寒さや相手の状況に合わせて、気遣いの言葉を柔軟に使い分けましょう。
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