ラテックスアレルギーがある人は注意

ラテックスアレルギー患者さんの約半数程度がバナナ、アボカド、キウイフルーツなどに対してアレルギー反応を起こすと言われているため、注意が必要です。これらの植物性食品のたんぱく質が、ラテックスのたんぱく質と似た作りをしているためにアレルギー症状が出ます。

医療従事者や清掃業の方や、アトピーをお持ちの方、医療処置を繰り返している二分脊椎・髄膜瘤という病気の方はラテックスアレルギーになりやすいと言われています。

仮性アレルゲンの可能性も

「仮性アレルゲン」とは、食品に含まれている化学物質が直接体に作用することで起こるアレルギー症状です。仮性アレルゲンのひとつに「セロトニン」という化学物質があり、バナナやトマトなど多くの食品に含まれています。

セロトニンが含まれる食品を多く摂取すると、仮性アレルゲンによるアレルギー症状が出る場合があります。仮性アレルゲンではバナナそのものに対してアレルギー反応が起こっているわけではないため、次にバナナを食べてもアレルギー症状が出るとは限りません。

バナナアレルギーは赤ちゃんや子どもにも注意が必要?

ラテックス・フルーツ症候群としてのバナナアレルギーは、天然ゴム製ラテックス手袋をよく使う医療従事者や、手術をしたことがある人、アトピーをお持ちのアレルギー体質の人は要注意です。また、近年はラテックス・フルーツ症候群の患者さんが低年齢化しています。

アトピーを持つお子さんは、なるべくラテックス製のおもちゃを避けて対策しましょう。バナナを食べて口のまわりが赤くなったり、のどが痛くなったりといった経験がないのなら、今すぐバナナを避ける必要はないでしょう。

バナナアレルギーは何科を受診すればいい?

バナナアレルギーの症状が出たときは、複数の診療科が受診の窓口となります。皮膚科・耳鼻咽喉科・小児科・内科・総合診療科など、アレルギー疾患に関わる科を受診してくださいね。

ただしアレルギーを専門としているかどうかはクリニックによるため、事前にホームページでアレルギーに関する記載があるかを調べてから受診するとよいでしょう。

バナナアレルギーの検査方法・対処法

バナナアレルギーの症状で受診した場合、まずはどのような食品を口にしたのか、その食品は加工されていたのかといった問診で、アレルギーの原因となった可能性の高い食品を絞り込みます。

次に血液検査や皮膚の検査(プリックテスト)により、口腔アレルギー症候群の診断がおこなわれます。また、花粉やラテックスに対してアレルギーがないかどうかも同時に調べられます。

バナナアレルギーの治療としては、アレルギーを起こす食品を避けることが第一です。また、ラテックスアレルギーが判明した患者さんはバナナのほかにアボカドや栗、キウイフルーツなども同時に避けるのが望ましいとされています。

バナナアレルギーは完治する?

バナナアレルギーをはじめとする食物アレルギーは、薬を飲んでアレルギーを治すのは一般的ではありません。アレルギーを起こす物質を避け、上手にお付き合いしていくというのが実際です。

なお、職業上ラテックスに多く触れていたことでラテックス・フルーツ症候群としてのバナナアレルギーを発症した方は、職場環境の変更により症状がよくなるケースもあります。
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