ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

鉄分が豊富な食材を摂りたい理由

鉄分は日本人が不足しやすい栄養素のひとつと言われます。鉄分は主に血液中のヘモグロビンを構成する成分となっており、酸素を体に運ぶ役割を担っている成分です。

不足すると貧血につながり、体が重い、息が切れる、疲れやすいといった体の不調が現れるため、不足しないように意識して摂り入れるようにしましょう。(※1)

鉄分を多く含む食材ランキング

分類食品名鉄分量(mg)
肉類豚レバー13.0
鶏レバー9.0
鶏ハツ5.1
カモ4.3
牛レバー4.0
魚介類あさり水煮缶30.0
煮干し18.0
しじみ8.3
うるめいわし丸干し4.5
ツナ缶4.0
藻類青のり77.0
ほしひじき(鉄釜)58.0
焼きのり11.0
野菜類パセリ7.5
切り干し大根3.1
大根(葉)3.1
小松菜2.8
えだまめ2.7
サラダ菜2.4
豆類きな粉8.0
いり大豆7.6
乾燥おから4.9
レンズ豆(ゆで)4.3
糸引き納豆3.3
それぞれ可食部100gあたり
(※2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25)
分類別で見ると肉類のレバーや魚介類のあさり水煮缶詰めに鉄分が多く含まれることがわかります。藻類も多く含まれているように感じますが、1回に食べる量が少ないため、藻類だけで鉄分補給は難しいといえるでしょう。

また、成人女性の一日の鉄分の推奨量は月経なしの場合が18~64歳で6.5g、65歳以上で6.0gとされ、月経ありの場合が18~49歳で10.5g、50~64歳で11.0gとされています。表の食材を組み合わせ、不足のないように摂り入れましょう。(※1)

鉄分を食材から摂るときのポイント

ヘム鉄と非ヘム鉄の違いを知る

食材に含まれる鉄分はヘム鉄非ヘム鉄に分かれます。肉や魚などの動物性食品に多く含まれ、たんぱく質と結合しているのがヘム鉄です。植物性の食材に多く含まれる鉄を非ヘム鉄と呼びます。

ヘム鉄はそのまま吸収されますが、非ヘム鉄は還元されてから吸収されるため、吸収率が低いと言われており、摂り方に工夫が必要です。(※1)

吸収を良くする食材と組み合わせる

鉄分はたんぱく質、アミノ酸、ビタミンCと一緒に摂ることで、吸収が良くなると言われています。特に非ヘム鉄は吸収率が低いため、一緒に摂取する食材を工夫して吸収率を高めると良いでしょう。(※1)

吸収を阻害する成分を一緒に摂らない

鉄分の吸収を高める成分がある一方で、阻害する成分もあります。米ぬかに含まれるフィチン酸や紅茶や緑茶に含まれるタンニン、ほうれん草に含まれるシュウ酸が代表的な成分です。これらの成分を含んだ食材は鉄分を効率良く摂取したいときには控えると良いでしょう。(※1)

調理器具を工夫する

調理器具を工夫することでも鉄分を効率良く摂取できます。鉄鍋を使って調理をすると、鉄分を摂取しやすくなります。特に酢を使った料理やトマトを使った料理など、酸味の強い料理の場合は、鉄鍋から鉄分が溶け出しやすくなるため、おすすめです。(※26)
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