作り方

1. 清潔な保存瓶にひしお麹としょうゆを入れる

Photo by Mio Gohda

保存瓶にひしお麹としょうゆを入れます。容器はあらかじめ煮沸消毒して殺菌し、水気を拭き取っておきましょう。

「今回使用するひしお麹は、豆麹と麦麹をおおよそ1対1の割合で合わせたものです。お好みで分量を変えていただいてもよく、豆麹が多めだと旨味がアップし、麦麹が多めだと甘味が強くなります。

しょうゆは薄口、濃口など特に決まりはありませんが、調味料や添加物の入っていない、大豆、小麦、塩だけで作られたものを選んでください」

2. 水を加える

Photo by Mio Gohda

続いて、水を瓶に注ぎ入れます。

「浄水器を通した水道水でも、湯冷ましでも、ミネラルウォーターでも構いません」

3. かき混ぜる

Photo by Mio Gohda

ひしお麹、しょうゆ、水をすべて入れ終わったら、木べらやしゃもじで撹拌(かくはん)します。

「1分ほどよく混ぜます。容器の底からすくうように混ぜると、液体が麹全体に行き渡りやすいですよ。塩分濃度の高い調味料なので菌に強く、素手で混ぜることもできます。その際は、せっけんで洗った清潔な手で混ぜてください」

4. 昆布を加える

Photo by Mio Gohda

旨味を出すために昆布を入れたら、仕込みは終了です。

「昆布は5cm角ほどあれば十分です。味付けされたものでなければ、どんな種類の昆布でも大丈夫ですよ」

5. 1日1回かき混ぜ、10日間ほど常温で保存する

Photo by Mio Gohda

仕込んだ醤は毎日かき混ぜ、10日間ほど常温で保存します。

「常温保存する間は、1日1回よく混ぜることを忘れずに。醤の発酵には数種類の菌がはたらきます。混ぜることで、すべての菌に酸素が行き渡って発酵が促され、発酵が均一になるんです。

もしも瓶の口やフタが汚れてしまったら、清潔なキッチンペーパーで拭き取り、カビの発生を予防しましょう」

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仕込んで4時間ほど経った状態の醤
麹は、仕込んで数時間~1日で一気に水分を吸います。4~5日経つと麹から水分が出てきて、全体にとろみが付きます。

季節や室温により完成までの期間は異なりますが、真夏なら10日を待たずに1週間ほどでできあがることも。冬場は14日ほど発酵に時間を要する場合があります。

「試食してみて麹がやわらかくなっていたり、味がまろやかになってコクが出ていたりすれば完成です。できあがった醤は、冷蔵庫で4ヶ月ほど保存できます。完成後は、毎日混ぜる必要はありません。使うときに軽く攪拌すれば大丈夫ですよ」

醤は何にでも使える万能発酵調味料

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ひしお麹、しょうゆ、水を混ぜるだけと、誰でも簡単に作れる醤。発酵パワーで体が整うだけでなく、そのおいしさと使いやすさは一度知ったらやみつきになること間違いなしです。

凝った使い方をする必要はなく、しょうゆの代わりとして毎日の料理に取り入れるだけで、発酵料理が手軽にはじめられるのがうれしいですよね。

醤の作り方を教えてくれた清水さんの著書『発酵料理のきほん』(朝日新聞出版)では、醤を使った発酵おかずのレシピがたくさん紹介されていますよ。醤を楽しんでみたい人は、ぜひチェックしてみてください。


取材・文/小原らいむ
撮影/強田美央

ITEM

発酵料理のきほん

¥1,430〜

発酵食がいいとわかっていても、どう取り入れていいか、またおいしいレシピを知りたい人に向けて、発酵料理のきほんを解説。発酵料理をつくる基本調味料から、季節ごとの献立や、発酵おかずを、肉、魚、野菜別に展開。

※2021年11月5日時点 価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpおよびshopping.yahoo.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。
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