ライター : macaroni 編集部

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料理家 渡辺康啓さんのこだわり調味料

「調味料は、誰がどうやって作ったかが、はっきりわかるものを選ぶようにしています。大量生産品と違って安心して使うことができますし、何より作り手がこだわりをもって生み出す商品は、味も格別です」

そう話すのは料理家の渡辺康啓さん。素材を活かしたシンプルで滋味深い、センスあふれる料理を数多く発信されています。

Photo by Yasuhiro Watanabe

料理家/渡辺康啓さん 鳥取県生まれ。有名アパレルブランド勤務時代に、お客さまから言われたひと言で料理の道へ進むことを決意。ケータリング事業からスタートし、2007年に料理家として独立。現在は料理教室をメインに福岡を拠点として活動している。本場イタリアで出会った味をそのまま再現するスタイルは受講者に人気。著書に『春夏秋冬 毎日のごちそう』(マガジンハウス)、『果物料理』(平凡社)など
今回ご紹介いただいた調味料は、渡辺さんが普段から愛用しているという油3つ。なんでも料理の味がこれで決まると言っても過言ではないほど、重要な役割を持つ油なんだとか。

Photo by Yasuhiro Watanabe

「同じ料理でも、油を変えるだけでガラッと方向性が変わりますよね。例えば青菜の油蒸し。菜種油を使えばごはんに合うおかずになり、オリーブオイルを使うとナイフとフォークでいただく料理になる。

このように油は、塩やしょうゆと同じように、料理の方向性を決める大切な存在なんです」

1. 堀内精油の「地あぶら」

Photo by Yasuhiro Watanabe

「熊本で作られている地あぶら(菜種油)です。菜種油には香りがひかえめでさらっとしたものと、香りが強くこってりとしたものの2種類があり、これは後者のタイプ。

僕がYouTubeで紹介しているピーマンの油蒸しのレシピには、地あぶらが欠かせません。友人たちが自宅で再現しようとしたらしいのですが、この油が手元にないので同じ味にならないと嘆いていました。

大好きすぎて、ついに僕のウェブショップでも取り扱うことにしたんですよ(笑)」

Photo by Yasuhiro Watanabe

「まずはシンプルな炒め物や定番料理に使ってみてください。加熱することで油の旨味や香りが引き立ち、食材の風味と混ざり合ってすばらしいおいしさになります。

今日は地あぶらを使って麻婆豆腐を作りました。菜種油の香りをしっかりと感じることができ、かといって嫌な油くささではないんです。豆腐やひき肉本来の旨みが際立ちます」

2. キム・ナレさんプロデュースの「ごま油」

Photo by Yasuhiro Watanabe

「友人でもある韓国料理の先生、キム・ナレさんがプレゼントしてくれたのがきっかけで、愛用しています。

ごま油って、原料となるごまは主に中国産か韓国産なんですが、食通の友人たちはこぞって韓国産のごまを原料としたものを使っています。香りや香ばしさが全然違うんです。

このごま油も韓国産のごまを使っているため、1滴だけでもふわっと豊かな香ばしさが広がりますよ」

Photo by Yasuhiro Watanabe

「よく、なんでもごま油で炒めちゃう人っているけれど、それってとても乱暴な料理だと思うんです。特に良質な油は、料理に香りをプラスするというイメージで使うと良いと思います。

今日は、韓国風サラダの仕上げにごま油を少し加えて和えました。香りが強いので、入れすぎると全部がごま油味になってしまうので、少しだけ。

ほかの料理にしても、例えばトッピングのねぎだけをごま油で和えてからのせるとか、仕上げに少しだけまわしかけるとか、そういう繊細な使い方がおすすめです」

3. 「カペッツァーナ 有機エキストラヴァージンオリーブオイル」

Photo by Yasuhiro Watanabe

「イタリアで作られている、有機エキストラヴァージンオリーブオイル。もう10年近いお付き合いになるイタリア在住のお友達、モリミさんに『カペッツァーナのオリーブオイルを作るところを見に行かない?』と誘われたのがきっかけで使いはじめました。

このカペッツァーナのオリーブオイルは、酸度(酸化が進んでいる度合い)を下げるために、徹底した管理のもとで製造されています。木が育つ前の小さい枝の段階から、こまめに剪定をすることで、木に負担がかからないようにしているそう。

さらに、オリーブの実はひとつひとつ手づみで収穫。大量生産品だと機械を使って木をゆさぶり、オリーブの実を落として収穫する方法が一般的ですが、実が傷ついて酸化しやすくなるんです」

Photo by Yasuhiro Watanabe

「このオリーブオイルは、オリーブのジュースという表現が正しいと思っているんです。

というのも、オリーブの実からオイルを抽出する際、ゆっくりと時間をかけて搾り取る圧搾(あっさくという方法が使われていおり、熱を加えないのでとてもフレッシュな状態でいただくことができます。とにかく軽い口当たりが特徴です。

普通は、料理に油を加えると重たくなりがちですが、カペッツァーナのオリーブオイルはむしろ仕上がりが軽くエレガントになります。

このオイルでよく作るのはレンズ豆の煮込み。この料理には、仕上げにカペッツァーナのオリーブオイルが欠かせません。

モリミさんが運営するイタリア食材を取り扱うウェブショップ『LA CUCINETTA(ラ クチネッタ)』で購入していますよ」

油使いをマスターしてこそ、真のお料理上手!

「油は料理に香りをプラスし、味の方向性を決める存在」という渡辺さん。

食材を炒めたり、揚げたりするときに使うものであり、料理の味を決めるのは塩やしょうゆだとばかり思っていた筆者はハッとしました。

質の良い油は香りやコクが強いため、その分繊細な使い方をしなければいけないんですね。油の正しい使い方を教わったような気分です。

油の使い方をマスターしてこそ、真のお料理上手といえるのかもしれませんね。

取材・文/高崎瑞輝(macaroni 編集部)
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