ライター : macaroni 編集部

中華の巨匠が教える、シビ辛な家庭料理

Photo by Mio Gohda

いよいよ夏本番。食欲が落ちがちなこれからの時期は、スパイスのきいたひと皿でなんとか乗り越えたいものです。

世界にはじつにさまざまなスパイスがありますが、中国特有の香辛料も忘れてはいけません。そこで、テレビでもすっかりおなじみの「中國菜 老四川 飄香(ピャオシャン)」の井桁良樹シェフに、香辛料が主役の家庭料理を教わります。中国香辛料を知り尽くす巨匠は、どんなレシピを教えてくれるのでしょうか。

Photo by Mio Gohda

中國菜 老四川 飄香 オーナーシェフ/井桁良樹さん 千葉県出身。高校時代の中華料理店でのアルバイトをきっかけに、中華に魅せられ、料理の道へ。国内で修行したのち、中国へ単身渡り、上海、成都で修業。四川料理の歴史と味を守る松雲門派の日本唯一の継承者で、多彩な味と香りの伝統四川料理で多くの人を魅了している
井桁シェフの夏のおすすめスパイスは、唐辛子、花椒、陳皮、クミンの4種。最後は、独特の香りと苦味、辛みを楽しめるクミンを使った料理を紹介します。

クミンはエジプトを原産とするセリ科植物の種。古くから用いられてきたスパイスですが、2,000年の歴史をもつ四川料理で使われ始めたのは比較的新しく、ウイグル地方から中国全土に広がったそう。肉料理との相性がいいというクミンを豚肉、パクチーと合わせます。
▼前回の記事はこちら

エキゾチックな香りと味!豚肉とパクチーのクミン炒め

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調理時間:約10分

「クミンはウイグル地方で用いられていたスパイスで、クミンを使った料理で有名なのはシシカバブ(羊肉の串焼き)です。今回紹介するレシピも本来はラム肉を使いますが、ご家庭でも手軽に作っていただけるように、しょうが焼き用の豚肉を使いました。

主役のスパイスのクミンだけで仕上げても十分おいしいのですが、五香粉も加えます。五香粉は八角、肉桂、花椒など複数のスパイスをブレンドしたもの。さまざまなスパイスの香りが、クミンの香りを際立たせてくれるんですよ。

火を使い始めたら、一気に仕上げていく料理です。食材、スパイス、調味料のすべてを準備して炒めはじめてください。料理を盛り付けるお皿もお忘れなく!」

材料(2人分)

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・豚肩ロース(しょうが焼き用)……200g
a. 塩……ひとつまみ
a. こしょう……少々
a. 紹興酒……大さじ1/2杯
a. 水溶き片栗粉……大さじ1/2杯
a. サラダ油……大さじ1/2杯
・クミンシード……大さじ1/2杯
・パクチー……50g
・九条ねぎ(千切り、長ねぎの白い部分でも可)……30g
b. しょうが(みじん切り)……大さじ1/2杯
b. にんにく(みじん切り)……大さじ1/2杯
b. 一味唐辛子……小さじ1杯
c. 砂糖……小さじ1杯
c. 塩……ひとつまみ
c. 黒酢……小さじ1/2杯
c. しょうゆ……小さじ1/2杯
c. スープ……大さじ1と小さじ1杯
c. 紹興酒……小さじ1杯
c. 水溶き片栗粉……小さじ1杯
c. 五香粉……ひとつまみ
c. 黒こしょう(白こしょうでも可)……少々

下準備

・ボウルに(c)を混ぜ合わせておく

作り方

1. パクチーを5cmの長さに切る

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パクチーは根の部分を切り落とし、葉と茎の部分を5cmの長さに切ります。

「パクチーは根の部分は味が違うので取り除きますが、葉の部分だけではなく、茎も使ってください。パクチーが苦手という方は、ゴーヤやセロリを使ってもいいでしょう」

2. 豚肩ロース肉を3cm幅に切る

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豚肩ロースを3cm幅にカットします。

「ラム肉や鶏肉を使う場合も同様に、食べやすい大きさに切り分けます」

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