6. 全卵と水を泡立てないように混ぜる

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いよいよ衣作り。氷水をはったボウルにボウルを重ねて、全卵と水を入れます。なるべく泡だてないように、静かに混ぜましょう。グルグル混ぜるのではなく、押し込むような感じで合わせていきます。

「よくお箸で混ぜましょう、といわれることも多いと思うんですが、たぶんやりにくいと思うんですよね。僕はホイッパーを推します。もし泡立ってしまったら、茶こしで取り除くか、冷蔵庫で置いておくといいですよ」

7. 数回に分けて粉をふるい、混ぜる

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数回に分けて、粉をふるいながら入れていきます。

「水と合わせるときでもいいですが、粉はあらかじめふるっておくと楽ですね。ふるっていない状態だと大きな塊ができて、衣が油ではじけません

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粉をふるい入れたら、ここでもグッグッと押すように混ぜ合わせます。

「泡だててしまうと、泡のせいで衣が水のなかに入っていかないんですよね。強く混ぜることでグルテンが発生し、もっちりとした食感になってしまいます。グルテンは温度が高くても発生するので、食材を冷やしておく理由もそこにあるんですよ」

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写真のように混ざったら、衣の完成。ボウルを2枚重ねにできなかった場合や、揚げるまでに時間がかかるときは、冷蔵庫に移しておきましょう。

「完全に混ぜきらなくて大丈夫。ふるった粉に限りますが、一般的にいう “ダマがあってもいい” というのは正解です

8. 180℃の揚げ油を用意する

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鍋の容量の1/2〜1/3ほど油を入れて火にかけます。揚げ油にごま油をひとたらし入れると、香りがグッとよくなるそうです。

海老をはじめとする魚介を揚げるなら、180℃くらいの温度がベスト。落とした瞬間、油の表面で衣がバッと開いていくような感じですね。同じ鍋の中でも油の温度には違いがあり、下のほうだと160℃くらいに下がってしまうので。表面のほうでタネが浮いているときの温度を適温に」

9. タネに衣をつける

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タネに衣をつけていきます。あらかじめ、小麦粉を薄くはたいておくと衣のつきがよくなるそう。つけすぎた場合は、刷毛で落とすか、手でトントンと払ってください。

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尻尾の部分を持って、身の部分を衣の液にくぐらせたら、油に落とします。面倒でもなるべく1尾ずつ揚げるのがコツ。

「一度にたくさん入れると、どうしても衣がベチャッとしてしまうので……。店の場合は4リットルに対して、一度に入れる海老の量は多くても4尾(!)」

10. 泡の様子を見ながら、揚げる

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タネの個体や水分量にもよるので、揚げる時間は感覚勝負。泡の様子をうかがい、揚がったと思ったら、引き上げましょう。

プツプツと出ているあぶくが、少し大きめの泡に変わったら、それが引き上げるタイミングの目安。このあたりは、どうしても泡の状態で感覚をつかんでもらうしかないですね……」

揚げるのに適した鍋を尋ねると……

「銅の鍋は熱伝導がいいですが、普通のフライパンでも大丈夫です。素材よりも形のほうが大切ですなるべく温度の下がりにくい、底が深いものを選びましょう。市販の天ぷら用鍋も使いやすくて便利ですよ」とのこと。

完璧な海老の天ぷらが完成

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背筋はピーン、衣はカラッと揚がった天ぷらのできあがり。バットやキッチンペーパーに引き上げて、あとはなるべく早く食べるだけです。

見た目の美しさはもちろんのこと、衣がサクッとしていて歯切れがパーフェクト。海老のプリッとした食感もしっかり残っています。徹底的にグルテンの発生を抑えていたことと、水蒸気が抜けるような工夫が活きているのがよくわかります。

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